novel

□ 温度上昇につき、注意
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((綱吉とハルとクロームは一緒の学校))


学校の授業が終わり、今は帰りの電車の中。
1つ空いていた席をクロームちゃんが勧めてくれた。(クロームちゃんは優しいです!)
ハルは席に座って、その前にクロームちゃんが立つ。

「ありがとうございます、クロームちゃん。荷物持ちましょうか?」
「ううん。大丈夫。今日は軽いの。」
「はひ、そうなんですか。ハルの所は社会があったので参考書が重いです〜。」
「‥私は明日、あるの。やっぱり重いね。」
「ロッカー使えたら良いんですけどね。」

学校の話を小さな声でお喋りする。(学校は勉強がちょっとブルーになりますけど、友達がいるから好きです。)
電車が途中の駅で止まり、話を一旦止めた時に、ハルはなんと向かい側の席に座っているツナさんを見つけました。

「(ツナさんですっ!)」
「それでね、ハル。」
「はひ!‥えっと、ごめんなさい。何でしたっけ?」
「? どうしたの?ハル。」
「何でもないですよ。ノープロブレムです!」

ツナさんを見ていたので、クロームちゃんが声を掛けてきたのに驚いてしまいました。
クロームちゃんは不思議そうな顔をしています。(はひ、恥ずかしいです。)

その後、電車は混んできたので、ハルとクロームちゃんは喋らないで静かにしておくことにしました。

「(ツナさん、気付かないかな‥。)」

通路に立っている乗客の間から、ちらりとツナさんが見える度、ハルは視線を送るのです。

「(ツナさーん。)」

「(こっち向い、あ、隠れちゃいました!)」

心の中で叫んでも、ツナさんは気付く気配がなく、ハルは電車を降りるまで話し掛けるのは諦めることにしました。(せめて、また明日、くらいは言いたいです!)

クロームちゃんを見ると、目を閉じて電車に揺られていました。(ハルも駅まで寝ようかな‥。)
寝ようと思って目を閉じると、頭に浮かぶのはツナさんのこと。

「(やっぱりツナさんはかっこいいです‥。)」

「(ツナさん、人気あるんだろうなぁ。)」

「(ハルのこと、見てくれないかな‥。)」

何だか物思いに耽ってきて、ツナさんのことで頭がいっぱいになってきました。(だってツナさんかっこいいんですもん。)

「次の停車駅は並森、並森です。」

車内に流れるアナウンスに気付き、ハルは耽るのを止めてクロームちゃんを起こす。

「クロームちゃん、着きますよ。」
「‥うん、わかった。」

クロームちゃんまだ寝呆けて目を擦っている。
少し微笑ましく感じていると、電車が並森駅に着きました。

「降りましょう。」
「うん。」

クロームちゃんが動き出したのを確認して、先に降りようと足を動かす。

「(ツナさんまだいるかな‥。)」

キョロキョロと周囲を見回しながら人波を分けて出口に向かう。
前を見てもツナさんはいなくて、少し悲しくなった時、後ろから聞き覚えのある声がした。

「ハル。」
「つ、つ、ツナさんっ!」
「はは、つがいっぱいだ。」
「はひ、えっと、」
「また明日。」

ね。とツナさんはハルが言いたかった言葉を言い残して、人波に消えていった。
ハルはというと、ツナさんが歩いていくのを見つめたまま、動けないでいた。

「‥ハル。」
「はひっ?!」
「どうしたの?ハル。」
「あ、クロームちゃん‥。」

気が付くとクロームちゃんがハルの隣にいて、ハル達が乗っていた電車は次の駅に向かってしまっていた。

「ハル、帰ろう?」
「そうですね‥。」
「‥眠いの?ハル。」
「え、そんなことないですよ。どうしてですか?」
「目がとろん、てしてる。」

え?、と思いながらクロームちゃんの言葉を反復する。

とろん。
目がとろけている。
眠くないのに目がとろける理由なんて、そんなの、1つしかない。

彼の笑顔が目前に浮かんだ。



温度上昇につき、注意



((はひ〜!ハルってば恥ずかしすぎですっ!))
(‥あれ、顔赤いよ、ハル)
(あわわっ、これはですね、えっと‥!)
(何慌ててるの?)

ツナさんに見惚れちゃったなんて、そんな恥ずかしいこと言えません!







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