novel
□ 休憩の時間です。
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「疲れたー。」
「お疲れ様です。ツナさん。」
最後の書類を確認し、机に伏せる。右から左へと片付けては積み重ねていた書類が、左に全て積み重なった。
「今日のスケジュールはこれで終わりです。急ぎの件もありませんし、ゆっくり休んでくださいね。」
「ん。」
「では、ハルはこの書類を渡してきますね。」
「‥なぁハル。」
「何ですか?」
「この後のハルの予定は?」
「これを渡してきたら、後は特にないですけど。」
「じゃあ、そんなの後でいいから此処にいてよ。」
そう言うと、綱吉は立ち上がり、ハルの手を取りソファーに座る。
自然にハルも綱吉の隣に座る形になった。
綱吉はハルを自分の方に傾けると、満足したかのように安堵の溜息を吐く。
突然の行動に少し驚いたが、綱吉の甘えるような様子を見てハルはくすくすと笑った。
「どうしたんですか?今日は珍しく甘えん坊さんですね。」
「もー疲れた。」
「そんなに難しい書類だったんですか?」
「難しいんじゃなくてさ、それ位自分たちで判断しろって内容が多くてさ。」
「んー、それはもう少し下の人に頑張ってもらわなきゃですね。」
「だろ?」
綱吉がはぁ、と今度は困惑の溜息を吐いた。
今度、幹部の皆さんに指導を厳しくするように頼んでみましょうか。そうすればツナさんの負担も減りますし、とハルは考えて少し唸った。
「何、ハル。」
「はひ?」
「俺と一緒にいるのに俺以外の事考えないでよ。」
「あの、」
「ハル不足で死にそう‥。」
ツナさんの事を考えていたんですよ、と言いたかったが、それは綱吉の言葉によって阻まれた。
何ですかハル不足ってそんなこと言われたらハルの身が持ちません!
頭の中でハル不足という言葉がぐるぐると回り、ハルは反応出来ずにいた。
綱吉は何も反応を示さないハルに痺れを切らして話し掛ける。
「ハル?」
「‥‥‥」
「ハール。」
「はひ?!な、何ですかツナさん!」
「‥ハルが悪い。」
「え、何が、」
「俺を夢中にさせたハルが悪い。」
「あの、ツナさ、」
「責任とれよ。」
傾けるだけだった綱吉の手に力が増す。ぎゅうと綱吉に押し付けられてハルは胸の鼓動を速くした。
自分の胸に押し付けている綱吉は、ハルが顔を赤くしている事も知らずに、また溜息を吐いた。
*****
あとがき。