novel
□ Buon giorno! C
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キミが与えてくれる笑顔や呼ぶ声。
それが俺の当たり前になっていた。
俺にはキミが必要なんだ。
Buon giorno!
ツナは必死で走った。ハルの下へ。思いをハルに伝える為に‥。
ツナは情報班の情報処理室へ向かい、ドアを勢い良く開ける。
バン!
「はひ?!」
そこにいるのは驚いているハル。ハルの事だから、仕事はやらなければと、此処に来ていたのだろう。
あぁ、でも目が腫れている。キミを泣かせたくはないのに。
しばらくするとハルの顔が一気に青ざめた。
「ツナさん!まだ怪我が治ってないんですよ?!早く病室に戻って下さい!!」
「(あぁ、こんなときでもハルは一番に俺の事を考えてくれる。)」
「ツナさん?」
ハルは机から離れ、俺の方へと近付いて来た。
「ねぇ、ハル。」
「はい?」
「‥‥俺、ハルに伝えなくちゃいけないことがある‥‥。」
「(‥あぁ、京子ちゃんと結ばれたんですね‥‥。)」
「‥‥俺、中学の頃京子ちゃんが好きだったんだ‥‥。いつも笑顔で優しくて、並森のアイドルと言われていた京子ちゃんが‥‥。
それからリボーンが家にやって来て、毎日紛争の中、ハルと出会ったよね。‥ハルは俺がマフィアのボスになるって知っていて、傍にいてくれた。
危ない目にも合わせちゃったよね。それでもハルは俺を呼んで、好きだといってくれた。今ではもう、立派な幹部の一員だ。
―――‥俺はただ、京子ちゃんに憧れていたんだ。
そして、ハルの思いから逃げていた。
長い間、気付いてあげられなくてごめんね。
俺と、ずっと一緒にいて下さい。」
「‥‥それって‥‥‥。」
ハルは目を大きく開いた。期待と不安でハルの瞳は揺れていた。
「ん―――‥‥。」
ツナは思い出したように微笑み、ハルに言う。
「“マフィアのボスの妻”になって下さい。」
それは、ハルが中学の頃から言い続けていたハルの夢。
“マフィアのボスの妻”つまり“ツナの妻”である。
「――――‥‥。」
止まる事を知らない涙は流れ続ける。
「ハル。なってくれる?」
ハルの答えは一つだけ。
「――もちろんです。ツナさん‥‥。」