novel
□ 日常の些細な幸せ
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「ハル。危ないからこんな所まで来なくてもいいのに。」
「ゔー。‥だって、ツナさんの為に私が出来る事って、これくらいしか思い付かなくて‥。」
(はひー。また怒られちゃいました‥。)
ちらりと見ると、呆れたようなツナさんの顔が見えた。
でも、それよりも、ツナさんの体に数個の怪我が見えた事が悲しかった。
(ツナさん。頑張ってるんですね。それなのにハルはどじばっかり‥。)
「ハル?」
「はひっ?!」
ツナさんの声によって思考から引き戻された。
「いや‥怒ってるわけじゃなくて。ただ、ハルだって女の子なんだし。危険な目には合わせたくないんだ。」
「はい‥。」
(分かってはいるんです。
ハルは強くないから。
ツナさんを守る事は出来ないから。)
「ねぇハル?」
「はひ?」
ツナさんは私を見て、にっこりと笑って言った。
「お弁当。食べよっか。」
「‥はい!」
不安が一瞬で喜びに変わった。
ツナさんの言葉で、
ハルは幸せになれるんです。