novel

□ 瞳から始まる恋
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ハルこと、三浦ハルには好きな人がいます。

それは、沢田綱吉さんと‥‥‥





「つ、つつつ、ツナさん!こんにちは!」

「‥‥あぁ、ハル。」


ちょっとクールになった沢田綱吉さんです!

二重人格ではないらしいのですが、時々ツナさんはいつものような優しいツナさんではなくて、クールでカッコいいツナさんになるんです!
そんなツナさんを、ハルはこっそりスーパークールツナさんを略して、超ツナさんと呼んでいます。
どちらのツナさんも大好きなツナさんなのですが、今のちょっとクールなツナさんにまだハルは慣れなくて、話し掛ける度にどきどきしてしまいます。


「そういえば、」

「はひっ、何ですか?!」

「‥そんなに焦らなくていいよ。‥それで、さっきのつつつ、って何?」

「え、‥えっと、あの‥‥。」


どうしましょう、変に思われてしまいました!

おろおろとするハルを見て、超ツナさんはフッと不敵な笑みを浮かべて言います。


「‥ま、いいけどな。」


‥‥て、訂正します!
ちょっとではなくて、すごくクールな超ツナさんです!

この機会に、もっと超ツナさんと親しくなりたいと思います。
頑張れハル!


「あ、あの、超‥ではなくてですね、あの、ツナさんは何がお好きなんですか?」


思わず超ツナさんと言いかけてしまいました。
超ツナさん気付いてないですよね?!変に思ったりしてないでしょうか‥。


「‥‥‥まぁ、いいか。」


超ツナさんはハルを見て、何か諦めたように軽く息を吐いてから、少し目線を伏せて考え始めました。

先程の言葉は気になりますけれど、超ツナさんが質問に答えてくれるようで嬉しいです。

‥‥実は、超ツナさんを好きな理由は、‥あっ、もちろんいつものツナさんも大好きなんですけど、‥超ツナさんの、とても真っ直ぐな瞳にもあるんです。
クールでカッコいいだけでなく、心を見透かすような真っ直ぐな瞳をしている超ツナさんに、ハルはどきどきして落ち着かなくなってしまうんです。
‥‥あ、何度も言いますけど、いつものツナさんだってすごくすごーく素敵で優しくて、どきどきしてるんですよ!


「‥ハル。」

「はひっ?!」


な、何でしょう、もしかして本当に心を見透かされてしまったのでしょうか?!

ハルが焦りながら超ツナさんを見ていると、超ツナさんは少し眉を寄せて溜め息を吐きました。

はひ、ハルは何か変なことを言ったでしょうか?


「‥‥、と守護者たち、それに母さんたちも。‥仲間、かな。」

「はひ?えっと‥。」

「何が好きか、聞いただろ?」


苦笑というか残念そうな笑みを浮かべて話す超ツナさん。

そうでした。超ツナさんに好きなものを聞いていたんでした。
それなのにハルったら別のことを考えてたなんて、超ツナさんに失礼でした‥。
超ツナさんのことを考えてたのには違いないんですけど、それでもやっぱり‥‥。


「‥ハル?」

「‥ごめんなさい、ぼんやりしてて‥。で、でもツナさんのことを忘れていたわけじゃないんですよ?!寧ろツナさんのことを考えていたというか見惚れてたというか、」

「‥えっと、ハル、わかった。分かったから落ち着いて。」

「本当ですか?!」

「あ、あぁ‥。」

「はひ、ならよかったです‥。」


超ツナさんに分かってもらえたと思って、ハルはホッと一安心しました。
ハルはいつでも沢田綱吉さん一筋なんですから!


「‥‥じゃあ、俺行くよ。またな、ハル。」

「はい!またお話ししましょうね!」

「あぁ。」


優しい笑顔と真っ直ぐな瞳に、ハルはまたどきどきして、沢田綱吉さんをもっと好きになってしまうのです。





―――その時、ハルは唯々安心しきっていました。
だから、気付かなかったんです。

ハルが超ツナさんに知らず知らず愛の告白のような発言をしていたことに。
そして、超ツナさんの残念そうな笑みを浮かべた本当の意味に‥―――





瞳から始まる恋



(‥やっぱり、誤魔化さない方がよかったな‥)
(超ツナさんと親しくなれたかもです!)



2人の気持ちがわかるのは、もう少し後のはなし。






*****
本当はハルを好きって意味で答えたのに誤魔化してしまった超ツナと、超ツナに好かれていることに気付かずに親しくなろうと頑張るハル。

実はお互いに気になっている2人です。





あとがき。


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