布団4

□愛しさ余って憎さ百倍
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ほう、近頃大人しくしていると思ったら、そういうことですか。
夏風邪だと言いながら、本当はあの若い白髪に熱を上げ声を嗄らしていたんですね。



淫乱な人だ、私の要求にも応じ、彼の要求にも応じ、全く貴女の柔軟性には頭が下がりますよ。
それで、どうですか、どちらが良かったんですかね、教えて頂けませんか。
他の方に聞こうにも、比較証言は貴女しか取れないんです。



何です、「違う」?
それならば、説明して頂けませんか。
貴女のこれまでを、私が納得するように、時系列で、事細かに。



それとも、貴女の身体に私の名前を刻み込んで差し上げましょうか。
持ち物には名前を書けと、貴女もお母様に口煩く言われたでしょう。
鬱血させるだけでは、誰の所有物かわかりませんからね。
その方が貴女も言い訳がしやすいでしょう、「無理矢理」と。
「私はあなたの物なのに、彼が無理矢理」と。



貴女が常に私のことを考え、意識し、優先させる。
始めからそうして頂ければ、私とて何も言うことはないんですよ。
ですが貴女はそれが出来かねるようなので、こうして言葉と態度で示しているつもりなのですが。
まだ分かりませんか。



もっと、酷くしなければ駄目ですか。



愛しさ余って憎さ百倍



束縛?
馬鹿を言ってはいけない。


(ただし、)
(愛情、この感情がそう呼べるのかどうかは、最早)




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