布団4
□ひとりとひとり
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何の前触れもなく、強烈な寂しさに襲われる時がある。
そういう日の夜は大抵月が眩しくて、翌日に雨が降った。
星も見えないほど明るい空が私の心を荒ませるのだ。
孤独を感じる原因は、はっきりとわかる。
そして、その素が今夜私の描くままのシナリオを演じてくれることも。
「何です、話とは」
「…、特に用事はないの」
「そうですか」
彼は決して「またか」とか「いいかげんにしろ」とは言わない。
言うと私が泣き出すことを知っているし、彼もまた少なからず孤独を感じているからだと思う。
「ごめんね」
「かまいません」
徐々に温かくなってきた左側に体重を預けてみる。
恐る恐る彼の右肩に頭を乗せると、その上にふわりと緑色もやってきた。
(ああ、)
きっと明日も雨が降る。
ひとりとひとり
僕の隣にいて。
(ただ、)
(それだけでいいんだ)