布団2
□それで勘弁してくれ
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夏休みが終わり、長い長い2学期が始まった。
「………」
今日も、もさもさのアフロと大きな体で、前の黒板が見えない。
正直困る、本当に困る。
早く席替えをしてほしい。
今学期は初日からついていない。
こんな人の後ろになるなんて、テストの点が下がったら、どうしてくれるんだ。
授業中に居眠り(いびき付き)はするし、お菓子は食べるし、酷いときには、振り返って、「いるか?」なんて言ってくる。
至極迷惑だ。
彼女が出来ないのも、納得する。
「どっこいしょ」
ほら、また今日も振り返る。
「…千秋くん、授業中なんだから、私語したら怒られるよ」
「これ、やる」
そう言われて渡されたのは、当たりと書かれたアイスの棒。
「毎日すまない」
「え?」
それで勘弁してくれ
手を合わせて謝る彼に、大きく心臓が跳ねた。