布団2
□ベストアンサー
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「おまん、今から追試じゃき」
放課後、廊下で坂本先生から呼び止められると、開口一番、これだった。
「私だけですか?」
「ん、まあの」
そのあやふやさに少し疑問を感じたが、正直、数学が大の苦手だった私は、大人しく先生の言うことに従った。
「5問だけじゃ、それに解答は記号にしとるきに、安心せい」
がらっと扉を開けられ、教室に入るよう促される。
黒板には、消し忘れの漢文が残っていた。
「…ま、解答群は46個あるがの」
「えー!」
私の反応を見て、いつものように豪快に笑う先生。
そんな彼に苛立ちを感じながらも、とりあえず席につく。
こうなったら、さっさと終わらせて帰ってやる。
「ほれ」
渡された用紙を一通り見たところ、問題は簡単なものばかりだった。
ただ、この46個の中から答えを探す作業が、とてつもなく面倒臭い。
溜め息を吐いて、問1から解き始めた。
(…ん?)
3問目の答えを書いたところで、その異変に気付いた。
きっと思い違いだと切り換えて、次の問題に取り掛かろうとしたものの、まさかと思い、ちらっと先生を盗み見ると、彼は私の手元をじっと見ていた。
騙された。
そう気付いた時からは、早く帰りたい一心で問題を解いた。
「出来ましたけど」
始めてから10分程で、全ての問題を解き終わった。
見直しは何度もしたし、この答えには自信がある。
(あるけどさ…)
「どれどれ」
真っ赤になっている私を見て、至極満足そうに微笑む先生。
ほら、楽しそうな顔。
やっぱり騙されたのだ。
「で、これに対する答えは?」
ベストアンサー
(解無しです)
(アッハッハッ、1本取られたぜよ)
問1、ア
問2、イ
問3、シ
問4、テ
問5、ル