布団2
□新聞紙になりたい
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私は、以前から新聞紙になりたいと思っていた。
あなたに見つめられ、時にあなたの枕となる新聞紙になりたかった。
ほら、今日だってそれを見つめている。
「どうかしましたか」
「別に」
「どこかの女優みたいな返事ですね」
その情報も、そこの紙切れから仕入れたんでしょう。
自分でも杞憂だと思う。
嫉妬する程のものではないことくらい、自分が一番分かっているのだけれど、それでも何故か考えてしまう。
私が新聞紙だったら、と。
新聞紙になりたい
私、新聞紙になる!
絶対に駄目です。
(私は新聞紙以上にあなたを見ているつもりですが)