布団2
□私の大好きな人へ
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初めてあなたと言葉を交した日、私はこの上なく嬉しかった。
高嶺の花だと思っていたあなたが、こんなちっぽけな私を思っていてくれたのが嬉しかった。
一緒に暮らすようになっても、眩いほどの笑顔を振りまいて、いつも日向のように暖かいあなたが好きだった。
毎日、幸せだった。
そしていつしか、あなたは私のかけがえのないひと、たった一人の大切な家族になった。
それから、あなたは私にたくさんの初めてをくれたひとだった。
例えば、あなたに出会って、私は初めて笑った。
初めて天候を気にするようになった。
初めてタクシーに乗った。
初めて小銭を出した。
初めてまじないに頼った。
初めて傘を差した。
初めて1輪の花を買った。
初めて喫茶店に入った。
初めて2日酔いになった。
初めて、人を信じ、愛した。
自分の中に、こんな感情があるのを知って驚いたのと同時に、私も人間なんだと確認できて安心した。
たくさんの初めてをありがとう。
私の大好きなひとへ
だから、どうぞこれからもよろしく。