布団
□さよなら、ナンバー8
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携帯のメモリ登録番号は8。
名前は御柳芭唐。
それが、私の大好きな人。
おかしいと思い始めたのは、2ヶ月ほど前から。
そのころから、彼に何度メールを送っても、返事はひとつも来なくなっていた。
もともと親しい間柄ではなかった。
メールアドレスも、私から何とか聞き出したようなもの。
そしてついさっき、何週間かぶりに「今日こそは」と祈りをこめてメールを送った。
(送信メールエラー)
早速のメールに、期待に胸を躍らせたのも束の間。
それはポツダム宣言よろしく、私に負けを知らせるものだった。
いつのまにか、彼はセンターから消えていなくなってしまっていた。
何の知らせもなく。
もう、わかりきっていた結果に涙もでない。
さよなら、ナンバー8
あなたはどうか知らないけれど、私はあなたが好きだった。