布団

□さよなら、ナンバー8
1ページ/1ページ


携帯のメモリ登録番号は8。
名前は御柳芭唐。



それが、私の大好きな人。



おかしいと思い始めたのは、2ヶ月ほど前から。
そのころから、彼に何度メールを送っても、返事はひとつも来なくなっていた。



もともと親しい間柄ではなかった。
メールアドレスも、私から何とか聞き出したようなもの。



そしてついさっき、何週間かぶりに「今日こそは」と祈りをこめてメールを送った。



(送信メールエラー)



早速のメールに、期待に胸を躍らせたのも束の間。
それはポツダム宣言よろしく、私に負けを知らせるものだった。



いつのまにか、彼はセンターから消えていなくなってしまっていた。



何の知らせもなく。



もう、わかりきっていた結果に涙もでない。



さよなら、ナンバー8



あなたはどうか知らないけれど、私はあなたが好きだった。



 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ