布団
□おかえり、ナンバー8
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PM9時10分。
御柳くんからメールアドレス変更のお知らせがきた。
夢なんじゃないかと思い、右頬をつねる。
大丈夫、痛い。
目の前の宿題も真っ白だから、やはりこれは現実なんだろう。
どうして今更?
単純な疑問が浮かんでは消えを繰り返す。
でも、もう1度彼からのお知らせを読み返すと、そんな疑問はどこかへ吹き飛んでしまった。
御柳くんからメールがきた。
それでいいじゃないか。
少なくとも、御柳くんは私を絶望的なほどに嫌ってはいないということがわかったんだから。
しかし、もちろん返事は送らない。
それが今の私の精一杯の抵抗。
あなたのメールで一喜一憂する私を知られたくないもの。
にやける自分にそう言い聞かせて、電話帳への登録設定メニューを開く。
まったく、私も恋する乙女になってしまったものだ。
ぱたんと携帯を閉じて、1人しみじみと考えた。
おかえり、ナンバー8
明日、目が腫れませんように!