布団3
□ガキ大将方式
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「だからさあ、よく見てよ。ほら、席もうないでしょ?だからそっちに座ってよ」
「嫌じゃ」
呆れた視線を集める中、さっきから「嫌」しか言わないこの頑固じじい。
食堂へ行くことになったのはいいが、運悪く席が机を挟んで3つと2つずつしか空いていない。
諸葛夫人、星彩、伏犠と私、そして割り込んできた孫市という顔触れだったので、大人な彼なら空気を読んで席に着いてくれると思ったのだが。
「わしとお主の席はこっちじゃ」
いきなり始まった彼のわがまま。
どうしても私と2人でなければ座らないと言う。
私の言い分としては、孫市を女性の隣に座らせる訳にはいかず、彼の言い分としては女3人男2人で座るのは面白くなくて(私が孫市と隣席するのはもっと許さないとか言うくせに)まあ結局はとりあえず私の隣に座りたいと。
「だあから駄目だってば!」
「い、や、じゃ!」
「あの、どうして嫌なのですか?」
それまで黙っていた夫人が口を開いた。
心配そうに見つめる星彩も固唾を呑んで見守っている。
伏犠は夫人を一瞥し、ふんと鼻を鳴らしてこう言った。
「夫婦であるお主にならわかるはず。嫁の隣は旦那のもの、旦那の隣は嫁のものじゃ!」
ガキ大将方式
(もう帰れ!)