企画/お題
□微笑む二人
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そして、口から出た言葉
「ゆめとん」
「オーナーのあだ名!?」
「なんか、似てない?このぽけーっとした感じ」
ずいっと目の前に仔犬を差し出された
そう言われれば…
「…昼のオーナーの感じに似てる」
「でしょ?オレ、センスいい」
『よし、お前"ゆめとん"な』と勝手に名付けてるシアンくん
自分のことは棚に上げるのですか
そして、何を思ったのか彼は捨てられていた"ゆめとん"と段ボールを持って歩き始めた
「ちょっ、どこ行くの!?」
「店」
「なんで!?」
「飼うから」
「えっ…?」
思いがけない言葉に追いかけた足が止まった
"飼う"
確かに彼が発した言葉
だけど、彼が言うとは思っていなかったので
理解に時間がかかった
ようやく理解出来て、彼の顔を見ると
「そうしたいんだろ?」
微笑んで私を見る彼の黄色と蒼のオッドアイの瞳