CP小説E

□不満と嫉妬と天然と。
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俺の最近の不満は、目の前の光景にある。







「…で、やっぱり…?」

「それより…が良いんじゃ?」



目の前に居るのは、レンとルカ。



何故かわからないが、最近この二人はよく一緒にいて、今日は嫌がらせの様に俺の目の前で話しこんでいる。



「レン君、もう7時だよ?さっさと帰った方がいいんじゃない?」



いらつきながらも無理矢理笑顔を作った俺は、その笑顔をレンに向けた。



「あっ、…でも」

「レン君、そうした方がいいわ。また明日会えるじゃない。」



ルカがそう言うと、レンは頷き、俺に軽く挨拶をするとさっさと出て行った。



「なぁ、最近お前達よく一緒にいないか?」

「そうかしら、別にがくぽが気にする事じゃないわよ。」

「はぁ?だってルカは俺の「俺の何よ。」



ジロリと俺を見た目は、明らかに不満げだった。



「な、何でもない。」

「あっそ。」



その日のルカはずっと不機嫌だった。







「なぁルカ、今日どこか行かないか?」

「無理、今から人と会うから。」

「…レン君?」

「えぇ、じゃ。」



ルカは俺の返事も聞かずに出て行った。







「あれ?ルカさんお出かけ?」

「あら、グミちゃん。」



家を出てすぐに会ったのはグミちゃんだった。



「今からそっち行こうと思ったのに。」

「ごめんね、がくぽなら居るわよ?」

「…珍しいね、ルカさんとお兄ちゃんが別行動なんて。」

「そう?じゃあ、また後でね。」



グミに軽く手を振ると、ルカはその場を去った。



「…何かある予感。」







「こんにちはー。」

「…あぁグミか。」

「うわ暗っ!!何そんな地縛霊みたいになってんの!?」

「…ルカがな、最近レンと仲良いんだ。」

「レン君?…あぁ!!さっきルカさんが会いに行ったのはレン君だったんだ。…ってそれだけ?」

「ここんとこずっとだぞ!?俺とはあんなに仲良くしないのに!!」

「…つまりレン君に嫉妬してるわけ?」

「…」

「二丁目の公園。」

「は?」

「レン君が今日行くって行ってた場所。」

「…俺にどうしろと?」

「行って来いバカ兄貴!!」

「ちょ、お前それ地味に傷付くんだぞ!?」

「うっさい!!ウジウジしてないで当たって砕けろ!!!!」



そう叫ぶとグミはがくぽを追い出すかの様に家から出した。



「マジかよ…」



がくぽはそれだけ呟くと、きびすを返して二丁目公園へと走り出した。



「あ〜、じれったい二人だな!!!!」



グミはそのセリフと共にため息を一つした。







公園に着くと、人のざわめきが起こっていた。

ざわめきの中心にいたのはルカとレン。



「…ったく!!」



がくぽはそう吐くとざわめきの中心へ向かい、ルカの手首を掴んで外へと連れ出した。



「…え?がく…」

「来い!!!!」

「ルカ姉!?」

「レン君、ちょいコイツ返してもらうわ。」







先程の公園から離れた路地に着いた頃、先に口を開いたのはルカだった。



「まったく…一体なんなのよ!!」

「お前なぁ、自分が美人で目立つって事気付けよ!!周りの男共が目の色変えてただろうが!!」

「…で?わざわざ来た理由言いなさいよ!!」

「ルカが最近レンとばっか居るからだろうが!!」







「…は?」

「平日も休日もいっつも一緒にいて!!俺がどんな気持ちだったと「歌よ。」

「…歌?」

「そ。この前レン君、リンちゃんに歌をプレゼントされたんですって、だから自分も歌で返したいって、相談に来たのよ。」

「いつも家でコソコソやってたのは?」

「楽譜作り。」

「今日の公園は?」

「リハーサル。」

「…」

「レン君、あんまり周りに知られるのが嫌そうだったから黙ってたの、納得いった?」

「それっ「ルカ姉!!」



二人の会話を止めたのはレンだった。どうやら追い掛けて来たようだ。



「リハーサ「レン君、これはあくまで提案なんだけど。」



レンの言葉を遮りルカは続ける。



「初めての歌はリンちゃんに聞かせてあげない?その方が気持ちも伝わると思うの。」

「でも…」

「下手だって良いじゃない、何より心がこもってるんだもの。」



ルカが優しく微笑むと、躊躇して俯いていたレンも顔を上げてニコリと笑った。



「うん…そうするよ、ありがとうね、ルカ姉。」



そう言うとレンは去って行く。



「がく兄!!ルカ姉取られないようにね!!」



そんなことを言い残して。



「…今の、どういう意味?」

「あー…考えない事をお勧めするよ。」



そういって不思議そうに首を傾げてしたルカに手を差し延べる。



「んじゃ、俺達も帰ろうぜ?グミも待ってるし。」

「そうね、…で?この手は取るべき?」

「お願いします。」



そんなことを言い合って笑いながら、俺達は家に帰った。



グミは家に帰るとニコニコしながらルカに抱き着き、隣にいる俺を蹴飛ばした。



ちなみに、翌日リンがレンにくっついてたのは、言うまでもない。




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SecretGardenの花音アリスさまからリクエストさせていただきました!
素敵ながくルカありがとうございます!もうがくルカ+グミちゃんが大好きです(*´∀`*)
嫉妬するがくぽも可愛い…!素敵な小説ありがとうございました!



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