Novel

□外国先生
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No.1‡作文制作



僕の好きな人は外国人です。
まだまだ新米の英語の先生・・・。
先生は男だけど僕は

そこまでプリントに書いたとき僕は我に返った。消しゴムで周りの人に見えないようにすばやく消した。
「はーい。後ろからプリントを集めてきて!」
やばい何も書いてない・・・
今日の国語の授業は
「いままでに教えてくれた先生でどうゆうところがよかったか」という作文を作るものだ。
小学校の先生でも中学校の先生でもいいそうだけれど僕は、今の高校の先生が一番好きだ。

(適当にかいときゃいいよな・・・)
そう思って今国語の授業をしてる山田 真奈美先生の名前を書いて、とても元気な先生でいつも元気をもらってます、とか。
真奈美先生の授業の日をいつも楽しみにしています、とか。
なんと言っても美人で優しい先生だから、いままで出会った先生の中で一番好きです、と書いといた。
書き終わった時、ちょうど後ろから集める人が来た。
その人は僕の作文も集めたかと思うと僕の作文を読んでしまったためか目を見開いてそこに立ち尽くして、固まっている。
「創!!!」
「!?・・・何?」
いきなり大声をだされて肩がビクっとした。
「何?じゃないでしょ。何なのこれは・・・」
真剣な眼差しで僕の目をじーっと見つめている有原。
有原がおもそうな口を開いた。
「おばさん・・・趣味なん?」
「そんなわけないだろ」
「じゃあなんで真奈美先生なん?しかも美しいとか書いてキモくないんか??」
そりゃあ僕も書きたくてこんなことを書いているわけじゃない。
「あんたとは昔からの付き合いだけどコレは私にも理解不能や・・・」
有原は両手をあげて手を左右に振ってやれやれというようなポーズをした。
そう有原とは幼なじみで小学生からの付き合いだ。
僕は僕の近くに来るように有原を手で招いた。
「ん、何?」
「真奈美先生を選んだ理由だけどね、この前国語の点数が悪かったから好感度を上げといて点数上げてもらおうと思ったからなんだよ。」
僕はできるだけ他の人に聞こえないように小声で有原の耳元で言った。
「腹黒いのは昔から変わらないね」
「ん〜何て言ったの?」
「なんでもないわ!!じゃあもうだしてくんよ?本当にこれでいいんか?」
「・・・あっダメ。・・・ちょっと返して。」
僕は今の言葉で気付いたけど、絶対に消しておかなければならない文章を思い出した。
有原から作文をいったん返してもらって僕はその文章を消した。

いままで出会った先生の中で一番好きです

そうだ・・・。
この文は書いてはいけなかった。
一番好きなんて書いてはいけなかった。
僕には本当に好きな人がいるんだから。
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