12/06の日記

07:33
たまには傷ついてたっていい
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人が居てくれると嬉しい。
誰かが僕の頬を触ってくれると嬉しい。

僕の手を握って
僕に抱きついて
僕の頭を撫でてくれる

そんな君が、大好きだ。

君は気付いてなんかいないけど、僕は君が好きだよ。


初めて君と話したのは、4月の晴れの日。

僕は…友達が欲しかった。

でも、そんなの格好悪いから、1人で意地張っていた僕に話し掛けてきた君は……


僕には違うものに見えた。


それから君は僕の視界にちょくちょく出入りするようになった

君は飽きもせずに僕に話し掛けてきた。


君は人間が嫌いだって言ってた。


人間関係がめんどくさいとか何とか。

それなのに、君は人と話す。
相当無理をしているのは知ってた。

それでも君は笑顔を絶やさず、僕のこともそんなに好きじゃないくせに話し掛けてきた。


僕はそれがとにかく嫌で、
君に気に入られたいから必死に明るく振る舞った。

でも、それは逆効果だったようで……

君は僕に絶望して、あまり近づかなくなった。

寂しくなった僕は、君を忘れる為に友達をたくさん作ったし、好きな人も作った。


そのまま君と顔を逢わさなくなって…君を守れずに…

僕らは逢わなくなった…

それからもぅ何年経ったか…
僕は……

君を見かけた。


愛した君に…
僕に話し掛けてきた君に…
何物にも変えがたい君に…
手が冷たい君に…
頬を触られるのを嫌がる君に…
よく人に触れるくせに、触られるのは苦手な君に…


君はまるで気付いてないようだった。

僕も気まずかったからスルーしようとした…


「テンズ!」

…名前を呼ばれた。

振り返ると、君は笑顔で手を振っていた。

久しぶりに見た君の笑顔に釘付けになって、動けなかった。


君の方から近づいてきた。


「久しぶり、少し大きくなったね。」

…君が小さくなったんだよ。


僕は少し小さくなった君を、公共の場でお構い無しに抱き締めた。


「ちょ、テンズ?」

君はびっくりしたみたいだけど、すぐに僕が泣いてるのに気付いてくれた。

周りの声とか騒音なんて全く聞こえなくて、この世界では僕と君だけが色をつけて僕の目に映っていた。


君は僕が泣き止むまで、頭を撫でていてくれた。

僕は心底安心して、涙を止めて君から離れた。


ありがとう。

君のおかげだね。

でも、もう君とは逢わなくなるよ。

だって君は僕のものじゃない。

だから……










さようなら。

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