12/08の日記

18:24
全てを潰して…
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このまま生きていけたら…
きっとそれは素晴らしい世界になるんだろうな…

僕の目に映るものも、僕の横を通る人も

全てが…綺麗に見えるかな?

僕は人に信頼されてるのかな?

誰かに愛されているかな?

誰かの記憶にいるのかな?

僕は人が好きだ。

でも…僕は人に愛してもらえない。

種族とか…遺伝とか…外見とか…生い立ちとか……

色んなものが僕を人から遠ざける……


僕は、あと5年で確実に死ぬ。

3年程前から、僕はある病にかかった。

その病は、緩慢に成長し…

今、僕の身体を蝕んでいる。

この世界に未練はない
あるのは絶望と、悲しい現実

このまま…僕は心臓が止まるのを待てばいいだけだったのに…


どうして…君に出会ってしまったんだろう……

君は、僕に話し掛けてきた
僕は適当に笑い返した

それが、君にとっては嬉しかった様で、君はしょっちゅう僕に話し掛けてきた

気が付くと、僕の方から君に話し掛けていた。

でも、僕は病のことを君に言わなかった

「来年もこうやって二人で居れたら良いね。」

君と出会って4年目の冬だった

君はいつも通り、僕の名前を呼ぶ

僕はそれに答える

今日は身体が重い
なんでかな…胸が苦しいや

君は心配そうに僕の顔を見た

僕は
「心配しないで」
と、元気を装ったけど…

さすがに限界が近いようだ

僕は
「今日は早めに帰る」
と、君に言った

君はわざわざ駅まで送ってくれた


僕は、君に会うのはこれが最後だって知ってたから…

やけに寂しい目で君を見つめた

「…どうしたの?」


僕は最後の思い出に、と

君を抱き締めた。

きつくきつく抱き締めた
君の心臓がドクドクしているのが分かった。
僕は呼吸ができなかった

流れに任せて、
僕はそのまま君にキスをした。

触れるだけのキスをした。

君は心底びっくりしたみたいだけど、僕はお構い無しに笑った。

そのまま僕は微笑んで帰った。

身体はもう限界だった。


帰っている途中で、僕はふらついた

どうやらここまでか…

君は無事に家に着いたかな?

僕の心臓の鼓動はだんだん小さく遅くなってきた…

最後に君と話せて良かった
君を抱き締められて良かった
君にキス出来て良かった

僕は君との思い出を持ってこの世界に別れを告げるよ


君に、僕の残り寿命分の幸あれ

僕の分まで、この世界で輝いてくれ

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