01/21の日記

23:19
心臓の音
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だんだん静かになっていく心臓の音

もうすぐ死期が近いのか

悲しみに身を委ね、誰にも気付かれることなく死ぬのか

いいさ、みんなに会ったら死ねなくなるだけだ


みんな大切だから…

僕がいなくなる瞬間なんて見せたくない

例えその時発作が起きようとも

耐えてみせる

この悲しみはなに?


みんなと離れるから?
会えなくなるから?
死ぬのが怖いから?
みっともないから?
涙が出そうだから?
それとももう出てるから?
嘘つきだから?


倒れそうな身体は、刻一刻と命を削られ、家へと向かう足取りは、次第に重くなっていく

耳の傍では悪魔が囁き
それすら耳に入らないのか、限界を迎えたハズの身体は動き続ける


いつもなら冷静な顔でいられるのに、この時ばかりはまるで喘息になったかのように

顔も険しさを増す

通り過ぎていく人の顔は、恐怖に歪む

が、そんなことを気にしている時間はない


家に着くまでは

まだ死ねない


心臓の音は次第に小さく静かに、呼吸もままならない

顔も生気などは殆んど無く、
前だけを見つめているのが精一杯だった

あと……もう少し


涙が出てきた

この世と別れるのか

みんなに会えなくなるのか

喧嘩も出来ない
仲直りも出来ない
一緒に遊びに行ったり
勉強したり
語り合ったり……

もう…出来ないのか


今思ってみれば、散々な人生だった

でも、みんなが居てくれたから楽しかった

何があっても、みんなが慰めて励まして応援してくれたから

時には一緒に戦ってくれたから



病にかかってもう4年も経った
今日まで良く保ってくれた

みんなと思い出が作れて良かった

みんなに会えて良かった

今日まで生きてて良かった

みんなみたいな友達が居て、本当に良かった

願わくは、僕が居なくなった後もみんなに楽しい夢を


後のことは君に任せます

まだ家に着いてないけど

君が着けばそれでいい


じゃあ…任せました




教授


―おっぱじめ小説“世界で一番最初の教授”より―

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