Novel 1

□微熱
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「風邪がうつるぞ」
「うつらない」
強引にキスをしようとしたら、大石は顔をしかめ、
自分の手のひらで唇を覆ってしまう。


「何だよ、その手は」
首を横に振ってキスを拒む。
「・・じゃいいよ。キス無しで」
「?」
パジャマの上から腰や胸のあたりをそっと撫でるように手を這わせる。


熱のせいでぼんやりしていた大石が、意図を持って這い回る手の動きと
ぴくりと反応した自分の躰に驚いて目を見開く。

「英二・・・まさかと思うけど・・変なこと考えてないよな」
「どうかな」

おそるおそる訊ねる大石にニッと笑うと開いたパジャマの隙間から手を差し入れ、
あらわになった鎖骨の辺りに唇を付け、舐めるように舌を動かす。

「・・・具合の悪い人間に何するつもりだ・・!」
「知らない?発汗は体温を下げるんだよね」

さっき水分もばっちり摂ったし。
躰を引き離そうともがく大石を押さえつけ、鎖骨から下に唇を這わせる。

柔らかな胸の突起を口に含み、弄ぶように舌先で突く。
しつこいくらいに攻めたて、空いた手で腰の辺りをくすぐるように撫で回す。

「・・ふ・・・・」
「ん、いい子だね大石、そのまま感じて・・」
半分、諦めたかのように強張っていた躰からゆるゆると力が抜けていく。

少し汗ばんできた肌を舐めまわし、脱がせたパジャマのズボンをベッドの下に放り投げた。


露になった内股を撫でるように手を這わせる。
透明な液を溢れるように滴らせ、勃ちあがった大石自身を掠めるようになぞる。



「・・・あ・・んっ・・」
耐え切れずに漏れた声の甘さに顔を上げる。
熱の火照りのせいか奇妙な快感のせいか頬はいつもより上気して、
潤んだ目も半開きの唇から覗く赤い舌先もいつも以上に卑猥だ。


「大石のココ、ぬるぬるしてるよ」
「んっ・・」
触ってほしいらしく腰をぶるぶる震わせ、自分に擦り付けてくる。

じらすように太腿を撫で、つつ・・と後ろに指を這わせる。
まだ慣らしてないのに、少し触れただけでもその刺激にヒクリと反応する。

「こっちがいい?それとも先にイッちゃう?」
「・・き、たい・っ」
いつもなかなか言葉にしないくせに、今日はあっさりと『イキたい』と口にする。

珍しいなと思いつつ、膝を立たせ押し開く。


・・・しんどい思いをさせるのは可哀想か。体調不良だしね。
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