Novel 2

□約信
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1・・2・・3・・うあぁ・・落下型の睡眠も相変わらずだ。
あっというまに寝息を付く保護者の頬をそっと突いてみる。
陶磁器のように白い肌、ピンク色の薄い唇からもれる寝息。

コドモか・・。

どうやら秀一郎にとって、オレは5歳くらいのワガママなコドモのまま
成長が止まってるらしい。

「しゅう・・」
幼い頃は『秀一郎』と言えなくて、オマケに『し』も発音できなくて、
ずっと『ちゅう・・』と言っていたらしい。

おやすみのキスをして、と眠ってるその唇に軽く触れる。
キスの意味も解かるくらい、オトナになったんだけどな・・。
・・・その身体に触れたい、と思うくらいに。




上質なシーツは素肌に絡まっても、とても気持ちがいい。
くすぐったそうに身を捻って、ふたりとも同じくらい甘い息を吐いて。
細い腰をまさぐる手のひらに、ん・・・ん・・という切れ切れの甘やかな声。
腰から下肢へ指を這わせて撫で擦ると、秀一郎はびくんと身体をくねらせて
熱い息を吐き出す。
・・・えいじ。
桜色に上気した柔らかな肌、熱で潤んだ目、濡れそぼったソレを口の中で貪る快感。
噛むように舐めているうちに、秀一郎の腰がゆっくりと動く。
自分が感じてることに、秀一郎は気が付いてるんだろうか?
このまま一気に貫きたい、と思う。
その唇を塞いで、その舌を絡めて、息なんか出来なくていい。
しなやかな手がオレの背中にある、その指先が細やかな筋肉のひとつ
ひとつを揉み解していく。
両腕でオレを抱いて、熱にうかされた声でオレの名前を呼び続けて・・。
・・・ん・・い・・っ・・・
その身体が小刻みに震える、がくがくと全身を小さく震わせてオレにしがみ付く。
交わった身体の重みと、肌に残る汗の匂いに気持ち良さそうに目を閉じる
秀一郎に何度もキスをする。


これって・・・絶対、夢だな。 夢の中のオレはぼんやりとそう思ってため息を付く。

少しだけ嬉しくて、でも絶対にありえない事だと思うととても寂しくて。
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