MELTYBLOODーCollapseOrder Night ON THE MADERS-

□ACT4.代行者
1ページ/2ページ

ACT.4代行者

秋葉達と組み
皆で話し合った結果、
昼間は情報収集や
各自自分がやる事をやり
夜になったら取り敢えず
志貴とシオン、詩希と秋葉の
二組に分かれ雑魚を
潰しながら吸血鬼を
探す事になった。

「…何故私が貴方と…」

話し合った結果とはいえ
不満そうに呟く秋葉。

「…そう言うなよ、
あん中で唯一
知り合いだったのが
お前なんだから…」

その様子に
苦笑しながら
頭を掻く詩希。

「はぁ…まぁいいわ。
で?どうするの?
手当たり次第に
街をうろつくの?」

「…いや、取り敢えずは
この街に点在している
魔力持ちを尋ねよう。」

秋葉の提案を
速攻で否定し、
地図を見る。

「…はぁ?
言っとくけど、
いくら管理者とはいえ
この街にいる魔力持ち
なんて全部知ってる
訳じゃないのよ?」

詩希の案が
お気に召さないのか、
あからさまに
不機嫌な声を出す。

「…そこは俺の力の
見せ所ってね。」

苦笑しながら
ダウジングでも
するかの様に
地図に手をかざす。

「…この街には
雑魚が多いが…
強力な魔力持ちは
数人程だな。」

「…貴方…まさか
わかるの?」

詩希の行動に
驚いた様に見つめる。

「…まぁね。
俺の右目は魔力には
敏感だから、
ダウジングと同じ要領で
探せば簡単に見つかる。」

一度地図から目を離し
秋葉を見ると
再び苦笑する。

「…取り敢えず、
秋葉と俺とかは外して…
…お?」

「…?どうしたの?」

突然詩希が
すっとんきょうな
声をあげたので
首を傾げる。

「…はぁ…
俺達はついてるのか
ついてないのか…」

頭を掻いて溜息をつく。

「…今、俺達の背後に
一人いるぞ。」



詩希の言葉に驚いた様に
振り向く。

すると、街灯の上に
一人の女性が
立っていた。

「…気配と魔力は
消していたつもり
なんですけどね。」

青髪の女性は街灯から
飛び降りると
詩希達の前に着地する。

「すみませんねぇ、
俺のセンサーは
感度良いもんで。」

苦笑しながら
地図を折り畳みしまうと
女性と対峙する。

「…蒼夜詩希、
貴方は何故この街に
いるのですか?」

「…生憎だが、
俺は教会の人間は
嫌いなんでね。
ノーコメントですよ。」

女性の質問に
おどけた様に答える。

「…貴方は現状を
理解しているのですか?」

「…さぁ?
どういう現状だ?」

睨み付けてくる女性に
対峙しつつ挑発する様に
おどける。

「ま…待ってください



「秋葉…」

突然間に入ってきた
秋葉にきょとんとする。

「いきなり何ですか?
私の連れに何か
御用ですか?シエル先輩。」

面食らった女性…シエルに
強気な態度で
問いかける。

「…秋葉さん、
退いてください。
今の私のすべき事は…
…その男を狩る事
ですから。」

手にした黒鍵を
突き付けて睨む。

「狩るって…
相手を間違えてるのでは
ありませんか?
彼は反転したモノでも、
ましてや吸血鬼でも
ありませんよ?」

「…えぇ、彼自身に
罪はありません。
…ただ…」

「…言うな

「「」」

シエルの言葉を遮る様に
声を荒げた詩希を
驚いた様に見る。

「…いいだろう。
本当なら無駄に
戦いたくはなかったが、
お前は潰してやる。
有り難く思え。」

つい先程までの
雰囲気が一変し、
凄まじいまでの
殺気が放たれる。

「………………………」

その様子に動じず
黒鍵を構えるシエル。

「ち、ちょっと詩希

「…秋葉は下がってな。
速攻で終わらせるから。」

抗議しようとする
秋葉を制して前に出る。

「…詩希…」

「来るぞ

詩希の一言と共に、
空中から黒鍵が
数発降り注ぐ。

…が、詩希に届く前に
全て刃が砕かれる。



黒鍵を飛ばした
シエルも驚き着地と同時に
後ろに跳ぶ。

すると、先程の
着地地点に何かが
二本程突き刺さる。

「…これは…」

「…俺の武器、
暗器『絶世』だ。」

詩希の台詞に
刺さったモノを見ると、
それは二本のナイフだった。

ただ、普通のナイフと
違う所は持ち手の部分に
細い銀色の糸の様なモノが
付いている所だ。

「…さぁ、どうした?
臆せずかかってこい。」

詩希が糸を引くと
ナイフが一瞬で手に戻り、
ナイフを構えて笑う。

「…そうですね。
なら、私も貴方を
狩るとしましょうか。」

互いに構えた次の瞬間、
空中で互いの武器が
火花を散らした。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ