幻想入り〜贋作する程度の能力〜

□第二章〜獄炎の王、獄水の姫〜
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「…ここか…」

「…そうね…」

ここは幻想郷の端の端。

幻想郷が見渡せる
少し高めの丘。

「…えっと〜?
ここのどっかに
アイツがいるんだっけか?」

「…多分…」

紅い髪の男が
たるそうに聞き、
蒼い髪の女は
興味なさげに返す。

「…まぁいいか。
んじゃお前はそっち。
俺様はあっち行く。」

「…分かった…」

短い会話が終わり
少し風が吹いた瞬間、
二人の姿は無かった。







「「…?」」
その頃、白夜と極夜は
何かを感じ同時に空を
見上げた。

「…極夜…」

「…あぁ…何か
懐かしい感じだぜ…」

嫌な予感がし、
互いに顔を見合わせる。

「…白夜、お前は
ここにいろ。
俺は様子を見てくる。」

「…わかりました、
気を付けて。」

白夜と短い会話を
交わすと、走り去る。







「おい、お前。」

「…ん?」

竹林の中、
筍掘りをしていた
妹紅が呼ばれて
顔を上げる。

「…お前、極夜を
知っているか?」

挑発的な態度のまま
妹紅を見下す様に聞く。

「…あんたは?」
不穏な気配を感じ
睨みながら立ち上がる。

「…お前には関係無い。
さぁ、知っているのか?」
妹紅の睨みにも
意も介さないで見下す。

「…ふん、さぁな。」

睨みながら言いつつ
足元を見てみると、
男の足元が焦げている
事に気が付く。

「…そうか…
なら死ね。」



咄嗟に脇に飛ぶ様に
避ける。

すると、妹紅が
先程までいた場所を
火球が掠め飛んでいく。

「…避けやがったか。」
男はゆっくりと
振り向き、掌に
火球を再び作る。

「…
…面白い…
それを見て一瞬驚くが
すぐに笑い構える。

「らぁっ
いくぜぇっ

「はぁぁぁぁ

次の瞬間、周りの竹を
吹き飛ばすかの如く
炎と炎がぶつかった。
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