遊戯王5D'S〜光は闇に、闇は光に〜

□TURN2「黒炎の騎士」
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…サテライトにあるジャンク屋、
その中にある
白夜の部屋である。

「………………………」
その部屋の端にある
ベッドで白夜は
寝息をたてている。

「…………………………」
そのベッドの上に
小さな影がのしかかる。

「……ん…………」
その重さを感じたのか
少し呻く。

「…先輩…?
…起きて下さいっす、
先輩…?」
ゆさゆさと揺すられる。

「…んん…後五時間…」
寝返りを打ちながら
お約束の言葉を
言ってみる。

「…だめっす、
そんなに寝ていたら
仕事に遅れるっす。」
しかし小さな影は
相変わらず
揺らし続ける。

「…えぇい…
鬱陶しい…
揺らしている相手を
突き飛ばそうと
手を伸ばす。

…ふにゅ。

「…ふぇっ…

…伸ばした腕が
何やら柔らかいモノを
掴むと同時に
びくりと変な声が
あがる。

「………ん………?」
ゆっくりと目を開けて
掴んだモノを見る。

「…………………///」
少し顔を上げると
何故か白夜の上に
乗っている沙夜が
顔を真っ赤にしている。

「………………………」
視線を手元に向ける。

「……あの……///
真っ赤な顔の下、
その部分にある
『柔らかいモノ』を
しっかり鷲掴み
してしまっていた。

「…うわぁぁぁぁぁぁ
朝っぱらから
サテライトに白夜の叫び声が
響いた。







「……………………///」
「……………………///」

…部屋の中、
互いに黙り向かい合って
座っている。

「…いや、正直
すまなかった…///」
顔を真っ赤にしたまま
土下座する。

「…いや…あの…///
…大丈夫です…///」
同じく顔を真っ赤にして
ぎこちなく笑う。

「…というか、
よく考えたら
何故お前が私の部屋に
いるんだ…?」
顔を上げると
じっと見つめる。

「…ふ、普通に起こしに
来ただけっす…///
…パートナーとして…///」
ふいと顔を背けながら
そう言う。

「…いや、いらん。
私は用が無いかぎり
暫く寝ているんだ。
じゃ、おやすみ。」
一気にそれだけ言うと
再びベッドに寝転がる。

「だめっす〜
起きて一緒に
仕事行くっす〜
再び馬乗りになり
揺する。

「…えぇい私は寝る
仕事なら一人で
行ってこい
そう言って布団に潜る。

「だめっす〜
嫌っす〜
そう言って揺する。

「一人で行け

「嫌っす







「………………………」
「…〜〜〜
サテライトのコンベアの前、
ぐったりしている白夜と
対照的に嬉しそうに
鼻歌まで歌っている
沙夜の姿があった。

「…何やってんだ?」
沙夜とは反対にいる
ハヤト・シグレが苦笑しながら
話し掛けてくる。

「…色々あってな。」
ぐったりしたまま
適当に答える。

「…というか
お前が仕事に
出ているの
かなり久々に見たぞ。」
まだ寝癖がついている
髪を弄る。

「…うちはジャンク屋で
あまり仕事はしなくても
いいからな。」
弄ってくるハヤトの手を
払いながら答える。

「仕事はした方が
楽しいっす
全く根拠も何もない事を
自信満々に胸を張る。

「…はぁ…」
思わず溜息をつく。
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