短編小説の世界

□.hack//chaos[番外編]
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〜〜〜幻のレアアイテムを探せ!!〜〜〜

「…はぁ?一日イベント?」
黒髪の青年は不機嫌そうな声を出す。
腕とへそが出ている軽鎧を着て、
腰まである長い黒髪がなびいている。

「うん、今度のやつは自信あり!!」
青年の後ろにいた女性が答える。
こちらはかなり際どいほとんど水着と変わらない
服を着ている。
顔は前にいる青年と瓜二つだ。

「え〜どんなのどんなの
女性の隣から覗き込むように
金髪の少女が女性が持つ
画面を見る。
ミニのドレスの上にエプロンを着けた様な
デザインの服を着て
髪を二つに結び
顔が描いてある帽子を
被っている。

「ふふっ♪えっとねぇ〜…」
意気揚々と画面の文字を
読み上げようとする。

「…絶っっっ対嫌だ!!
この前のやつなんて
ユリアがちゃんと見て
なかったから明らかに
レベル高いやつ出てきて
死にかけたし!!」

女性に向けて言い放つ。

「え〜…しーちゃ〜ん
大丈夫だよぅ〜
今度はちゃんとレベルも
見てピッタリだもん!!」

ユリアと呼ばれた女性は
頬を膨らませながら
撮ってきたスクリーンショットを
白夜と呼んだ青年に
突き付ける。

「そうだそうだ〜!!
やろやろ〜!!
ねっ?白兄ぃお願〜い

少女が抱きついて
頬擦りをしながら
お願いしてくる。

「…ゆ…ゆえ…!」
ちょっと心が揺れる。

「ほらほら、
ゆえもこう言ってるよ?
妹の願いを聞いて
あげないのは兄として
どうかと思うな〜?」

そう言いながら
頬を突いてくるユリア。

「…ユリア…
ゆえを使って抗議するのは
ずるいと思うな。」

妹にはとことん
甘いということは
自分でも分かってるので
あまり強く言えない
白夜。

「もうっ!
しーちゃんめっ!!
『お姉ちゃん』でしょ?
そう呼んでくれないと
や〜!!」

突然手足をバタバタさせて
ワガママを言うユリア。

「…そっちかよ。」

とりあえず抱きついてる
ゆえを下ろす。

「…しーちゃんはそんなに
私たちと遊びたく
ないの…?」

「…そうなの…?
白兄ぃ…」

二人とも涙目になって
上目遣いで見てくる。

「………………はぁ……
分かったよ、
やればいいんだろ…
やれば。」

この状態になったら
もう梃子でも動かない
という事を経験上
分かっているので
仕方なく承諾する。

「やたっ♪ありがと〜!
もうしーちゃん大好きV」

「白兄ぃ大好き〜VVVV」
二人とも喜んで
飛び付いてくる。

「…はぁ…」
自分が押しに弱い
という事を改めて
自覚して、
少し後悔した。
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