幻想入り〜贋作する程度の能力〜

□厄神様と通る道
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「…〜
次の日、いつも通り
洗濯物を干す。

因みに今日も極夜は
博麗神社に行っている。

めんどくせぇと
文句を言いつつも
ちゃんと毎日
行っている極夜を見て
思わず笑ってしまったら
少し怒られた。

「…………ん?」
ぴくりと何かに反応し、
後ろを振り向く。

「…こんにちは
すると、昨日の女性が
笑顔で立っていた。

「あ、こんにちは
丁度良かったです。」

「私も丁度良かったわ

「「名前聞くの
忘れてたから…」」

二人同時に言う。

「「……………………」」
互いにきょとんとした
表情で見つめる。

「…あはは…同じ事
考えていたんですね。」

「えぇ、そうね。」

顔を見合せて苦笑する。

「それじゃあ
自己紹介から…
…私は白夜、
一応創造神です。」
にっこりと微笑する。

「…私は鍵山雛、
一応厄神よ。」
こちらもにっこりと
微笑する。

「…厄神…というと、
あの厄を払う?」

「えぇ、一応。」

白夜の言葉に
苦笑する。

「すごいですね、
人々の厄を取って
あげれるなんて…」

「…そうでもないわ。」

そう言うと、
悲しげに苦笑する。

「厄を集めてると
どうしても周りの
人にも不幸な事が
起きてしまうし。」
やれやれと首を竦める。

「…雛さん…」

「…だから…
…私にあんまり
近付いちゃ駄目よ?」
大人っぽく笑いながら
くるりと回る。

「そんな…雛さ」

どがしゃーん

「ぎゃぁぁぁぁ

歩いて近づいた瞬間、
突然落ちてきた
巨大な荷物に潰される。

「あらあら…大丈夫?」
心配し近づいて
頭をつつく。

「…うぅ…何でいきなり
荷物が…ぁぶっ
起き上がろうとした瞬間
誰かが思い切り
頭の上に着地する。

「いや〜悪ぃ悪ぃ。
荷物落としちまった。」
頭の上に乗った
魔理沙が笑う。

「…ついでに謝る相手に
乗ってるわよ?」
苦笑しながら
足元を指差す。

「…お?おぉ
すまん大丈夫かっ
慌てて降り
荷物を退かす。

「…あぁあぁ、
だ〜から私に
近付いちゃ駄目って
言ったじゃない。」
苦笑しながら
少し離れた位置に
浮かぶ。

「…雛…さん…」
魔理沙に支えられながら
浮かんだ雛を見上げる。

「…それじゃあね、
久々に他人と
仲良く出来て
楽しかったわ。」
悲しそうな笑顔で
一言言うとそのまま
飛んで空に消えていく。

「…ぁ…」

「おっと、無理すんな。
まだ身体痛いだろ?」

追おうとするが
身体が痛くてよろけ
魔理沙に支えられる。

「…すみません…」
少し身体を預けたまま
申し訳なさそうに俯く。

「…雛さん…」
雛が消えていった
空を見上げながら呟く。

しかし、その呟きは
誰にも届かず
空に消えていった。
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