このせつSS!

□smile
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誰よりも、なによりも
胸張って好きっていえるから。
どんなに辛くても、苦しくても
私が絶対に守ってみせるから。

だから、永遠に…



=smile=



さっきまで空は雲ひとつない晴天だったというのに。今はどんよりとした雲が空全体を支配していて今にも雨が降り出しそうな勢いである。その天気のせいからか、気分はさっきから優れず、はぁと溜息が出てはまた空を見上げる。晴れそうにない。

(ここにいてもせっちゃんが来る訳やないし…さっさと帰ろっ)

今日も一緒に帰ろうと思ってた。
でもそれができないと告げられたのは今日のお昼休みだった。部活のミーティンングがどうとかで遅くなるから、と。
何回も頭を下げ謝られて、明日菜と帰るからへいきやよ、と笑って言って見せたけど、少し、いや結構残念だった。

二人はいつしか一緒に帰るようになっていた。
時にはエヴァの別荘に行ったり、買い物をしたり。そして今日もそうなるはずだったのだが…。
特に予定があったわけではない。
ただ一緒にあるいて、話して、寮に帰るだけ。それでも木乃香にとっては貴重な時間なのだ。修学旅行前と比べるととっても進歩したのだから。

明日菜と帰るというのは、嘘。
刹那を心配させないための。
そうしなきゃ刹那は罪悪感で押しつぶされてしまいそうだから。
そんな刹那を想像するとなんだか嬉しくなり、木乃香はそっと微笑んだ。


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