「終わらない恋になれ」





俺は今自室で戦闘データを確認しているんだけど、だいぶ外が騒がしい。ここって防音機能バッチリじゃないのか!?

―シュン

まてまてまて!?
おいおい、勝手にキーを開けられた!嘘だろ!?
全く騒がしい奴だな…なんて思っていたら、肩で息をしている刹那だった。

「ロックオン…ッ、プレゼントだ」
「はい?プレゼント?…ってかな〜り懐かしい紙なんだが」
「指定された場所に…ッ、待ち合わせだ。わかった…ッ、な?」
「せ…刹那!?」

いや…そんな事言われても困るんですけど…。

「どうしたんだ?いきなりやってきて?」
「緊急で話したいことがあって…ッ」
「そう…そうか」

とりあえず刹那とは一旦別れた。
変色した紙にボールペンで
『to:ロックオン
一時間後に展望室で話したいことがある。いいか?…なら一時間後に展望室で会おう。
from:刹那』
と書いてあった。

「一時間後…?ってもうすぐじゃん、急がなきゃ」

俺は急ぎ足で展望室へ向かった。



***



「せ…刹那?」
「あ、ロックオン」

あの…、人を呼びだしたご本人が呼び出したことを忘れるだなんて、21歳のくせに物忘れが激しいんだな、俺も数年前からそうだったから…。

「どうしたんだ?急に呼び出して…」
「突然だが訊きたいことがある。アニュー・リターナーのことをどう思うのか?」

突然刹那はアニューについてどう思うか、と言い始めたのだ。
俺はもちろん仲の良い"恋人"だと言った。
すると刹那は少し俯いた。その後の刹那の表情は分からなかった。すると床に染みが出来ていた。

水滴は付いては消え、付いては消え――

突然刹那はいきなり泣き出したのだ。よっぽど"恋人"と言う響きが彼の心を傷つけたのだ。

「っ…ロック…の…うッ…嘘つき…!…」
「……―――っ」
「アニュー…リターナー…の…せいでは…無いと…思うけど…!どうして…浮気…なんて…したの…?」
「――…うっ」
「裏切らないって…昔…二人で…約束…したでしょ…」
「す…すまなかった…申し訳なかった…。ごめんな…刹那…」

刹那は悲しみから床に屁たれこんでしまった。
こんな姿を見るととてもすまなかったと思う。

「でも…でも…あまり…深く…考え…ない方が…いいと…思う…」
「そうか…そうか…本当にすまなかった…だから…許しせ…」

床に屁たれこんだ刹那を俺はギュッと抱き締めた。





fin.

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