パロ噺
□【女体化】花灯路(その15)
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菓子屋が店じまいをする夕暮れ。
それと入れ替わるように、向かいの飲み屋では、提灯が赤く灯る。
そんないつもの光景を眺めつつ、土方は屯所へと続く道を急ぐ。
すると。
「トラックばっか停まってやがる」
さほど広くもない道路に、トラックが数台駐車して、道幅をかなり狭くしていた。
左前方には完成間近の近藤邸。
同じ敷地内には、道場も建設中だ。
いずれこの道場は、お妙が主となり、子供に対して剣を教えるという。
だが、建設現場はこれだけではない。
さらに、道場の向こうにも、見ず知らずの低いビルが建てられているため、あちこちで資材を運ぶトラックが駐車している。
今日の土方は、午後から半休を取った。
実はさっきまで、沖田が授かった子の父親として、婦人科で簡単な検査を受けていたのだ。
なので、土方は勤務日のこの時間にしては珍しく着流し姿。
荷台で眠る猫を眺めつつ、歩きなれた道をのんびりと歩く。