パロ噺

□【社会人×高校】あの夏この夏(その1)
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急にセミが鳴きだす。


ツクツクホーシ、ツクツクホーシ。


それにびっくりした幼児が、三輪車を止める。
そして、隣の神社にある高い木を見上げていた。

そのそばを学生服の少年、沖田総悟が走り去る。


とても淡い茶色の髪、もう夏だというのに真っ白な肌。
かなりの距離を走っていたのか、頬はやや赤い。
が、息は切らしていない。

汗で前髪が張りついた額は、ほどよく丸い。
珍しい空色の目は正円に近い形で、ほのかに嬉しそう。

やっと子供から一歩進んだだけの、まだまだ幼い顔立ちだった。



やがてその少年は、沖田と表札のある古い家で足を止める。

いびつな換気扇からは、ゴトゴトという音と、空腹を刺激する芳醇な匂い。
少年はパッと笑顔を浮かべて、玄関を開けた。
 
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