渦巻
□Eternity
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肌寒い夜、戸の隙間からヒョウ、とわすがに風が入り込む。
その度にビクリと肩を震わせ、外にないはずの気配をネジは必死に探した。
しかし探した気配は見つからず、先ほどと同じようにほぅ、と息を吐き、肩の力を抜いて気を落ち着かせた。
彼は、待っているのだ。それも、気を張りつめていなくてはいけない相手を。
ネジはもうすっかり冷えて、冷たくなっている指先を己のそれで擦り合わし、少しの温もりを得ようとした。
しかしその温もりは一時凌ぎというもので、すぐにまた冷たくなると、より一層ネジの心は沈み、冷えて虚しさばかりが募るのだった。
「!!!」
カダリ、と物音がした。
彼は慌てて襖を開ける。
待ち望んで止まなかった彼が、そこにいた。
「久し振りだな、ネジ」
「イタチさん!!!」
ネジは裸足なのも構わず、駆け出した。
そしてイタチの腕の中へ収まった。
「半年振りか?」
「…7ヶ月と半振りです」
あぁ、一番感じたかった体温が、ここにある………。
ネジは腕の力を強め、さも、逃がさんとばかりにイタチに抱き付いた。
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