小説 (銀魂関連)

□両思いのBirthday 《如李
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7月8日、午前10時20分・・・朝降っていた雨も上がり、暑すぎない太陽の光が降り注ぐ・・・
濡れた地面も太陽の熱により段々乾いてゆく・・・

もう乾いて少し暖かい屋根の上で、へんてこな愛マスクを着けた男が寝ている・・・
真選組1番隊隊長の沖田総悟だ。
もうとっくに勤務時間なのに全く気にせず寝ている、屋根のしたで平隊員が自分の事を探しているの

を知っていても動かない・・・
そこへ一人の少女が屋根から屋根へと軽々しく飛び移りその男の元へやってきた。

「おぃ」
「・・・なんでぃ・・・」
「探してるアルヨ」
「ほっとけぃ・・・」
「オマエ本当に駄目アルナ・・・」
「はぁ?そんな事言いに来たのかぃ?」
「いや、今のは瞬間的に思った事を口にしただけネ」
「変わったもんじゃねぇやぃ・・・で、じゃあ何しに来たんですかぃ?」
「・・・・・・・・・コレ・・・・・」
「なんでぃこりゃ?」
「見たとおりネ、弁当アル」
「は?」
 一瞬ポカ〜ンとする沖田。
「オマエ今日誕生日だろ・・・」
「えっ!?・・・あっあぁ・・・うん・・・」
 少し冷静になり、コレが誕生日プレゼントだと気付き、顔には出さないがなんだか照れくさい様な

、くすぐったく、嬉しい様な気持ちになる沖田。
「何あげれば良いか解らなかったアルからな・・・食いモンにしたヨ」
「・・・・・・チャっチャイナからもらえるなんて思ってなかったでさぁ・・・でも・・・食えるのか?」
「失礼ヨ!!ちゃんと習って作ったネ!!」
「え!?なっ習ったって、あのゴリラ女に?」
「違うヨ、お登勢さんに教えてもらったネ。アネゴなんかと一緒に作ったら、一緒に作る私まで、死

にかねないヨ」
「そっそうだねぃ・・・じゃあ一応食べ物ではあるんだねぃ?・・・でも・・・・・・」
「あ!?まだ文句あるアルカ!?」
「いや、そうじゃなくて・・・その・・・」
「何ヨ?」
「手が・・・」
「・・あっ・・・何したネ!?」
沖田の右手はギブスでぐるぐる巻きにしてあり痛々しいことになっていた。
「この前ちょっとしくじってまってねぃ・・・だからここんとこ、おにぎりとか箸使わねぇモン食べて

たんでさぁ・・・」
 言い終わった瞬間何かに気付いた様な顔をし、ニヤリと意地悪そうな笑みを浮かべる沖田。
「なっ何ヨ!?」
「せっかくチャイナが作ってくれたんだものなぁ・・・でも、俺食べれねぇしなぁ・・・誰か食べさせてく

れねぇかなぁ・・・」
「マヨラに頼めば良いじゃん」
「嫌でさぁ・・・キモいよ。」
 そして、にやっと笑い神楽を見る沖田。
「チャイナに食べさせて欲しいなー」
「はっ!?何言ってるネ!!絶対嫌ヨ!!」
「誕生日プレゼントが消耗品ってなんか哀しくないですかぃ?」
「きゅっ急に何ネ?まだ文句言うカ!!?」
「それだけじゃ思い出にならないと思いませんかぃ?」
「おっ思い出になんかしなくて良いネ!!」
「あーあ、俺今日誕・生・日なのになぁ・・・」
「ふっふんっ!!だっだから何ヨ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・あーもぉっ!!わっわかったヨ!!食べさせれば良いんダロ!!?」
 俯いて黙っていた沖田がふっと顔を上げ、ニヤリと笑う
「あー!!!ハメたアルなー!!」
「くくっ、ホントチャイナは騙され易いなぁ」
「もー帰るアル」
「あぁ!!ごめんごめん、頼むって!!朝もおにぎり一個で腹減ってたとこなんでさぁ」
「ちっ世話のかかる奴アルな」
「くすくすっ」
「なっ何ヨ!!?」
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