小説 (銀魂関連)

□恋は不安と背中合わせ
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「なぁ…」

「ん?…なんだぁ〜?」
俺の隣に居た銀時はだるそうに返事をする。顔を見てくれない…最近ずっとそう
だ…

「なぁ、俺達付き合ってるんだよな?」

「………何を今更……じゃなきゃ、毎日こんなムサい所に来ねぇよ」

「…そ…うか…だっ、たよなっ…」
俺は似合わない笑顔でへらっと笑い返した…

しばらく沈黙が続いた…緊張とは違った重い空気…それを、思わぬ言葉で破った
のは、銀時だった…

「………俺…なんかで…良いのか?」

「は?」
俺は、コイツこそ今更何を抜かしてやがると思った…

「だって、土方君わざわざこんな天パのおっさんなんかじゃなくて、普通に可愛
い女の子でも楽勝で彼女出来る顔じゃないの……男だとしても…俺…なんかより
、もっと…ほら!沖田君とかさ!ジミー君とか!」


そうか…これか…こんなことで……

「何言ってやがんだ…俺は…………その…」
「何?」

「おっおっオマエ…じゃなきゃ…駄目なんだ!!」

勢い余って怒鳴ってしまった…
銀時は一瞬きょとんとしたが、次の瞬間へらっと、いつもの勘に触る笑いを見せ


「は、ははっ何土方君ムキになってんの!?こんなの演技に決まって……っう…く
っ…ぅ…」

「ちょっ!?オマ…ぇえ!?どどどどどどうした!?おっ落ち着けー!」

「うぅ…オマエが落ぢ着げ…やゴノ…ヤロ゛ー…っうぅ」

「ちょ、マジでどうした?」

とりあえず落ち着くまで、背中をさすった…
膝を抱えて、頬を赤らめて、ボロボロ泣く姿は、とても可愛くて…
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「で?…どうしたんだ?」

泣き腫らした顔を俺の肩にうずくめ、銀時はやっと口を開いた
「………ずっと…不安だった…………俺…何にもしてやれねぇし……これといっ
て人並み以上に出来ることも…」

いつも、人をバカにしているやつからこんな言葉が出てくるとは思わなかった…
「っ何を…オマエはオマエだから良いんじゃねぇか…それに……その…俺はオマ
エがくれる言葉にけっこう救われてんだぜ?」

「……そぅ…なの?」

「……うん、そう」

「じゃぁ、俺はこのまま土方の恋人で…良いのか?」

「当たり前だ…どっか行ったら許さねぇぞ」
「ははっ…おうっ」

「あと、オマエは何にもしなくたって良いんだよ……されてりゃ良いんだ」

「ぇ…いや、たぶん土方君の考えてる“してやる”と、俺の言った“してやる”
は意味が違うと…」

「うるせぇ、黙ってヤられろ!」

"ドサッ!"

「ギャー!!変態!!」

「良いか?身をもって覚えとけ!『オマエは俺のモノだ!』」

「サイテー!!」


あぁ、ホントに可愛いやつ…
普段威張り腐ってるクセに、こんなことで悩んで、距離とりやがって…
でも、それで不安になってる俺も一緒か…



不安が無くなる事はずっと…これから先も無いだろう…でも、不安の後には安心
があると信用して…
俺達は、恋を続ける。

「愛してるぜ」
「ばっバカヤローっ!!」

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