∀小説


□右目
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『骸さん骸さん』
『何ですか犬』
『何で右目には六道輪廻がやどってるんれすか?』
『さぁ。何故でしょうね』
『骸さんにもわからないんれすか?』
『そうとも言えますしそうじゃないとも言えます』
『どういうことれすか?』
『心当たりがあるんですがそれとは限らないと言う事です』
『…?』
『クフフ…つまり呪いかもしれないという事です』
『の、呪い…詳しく教えてください!』
『犬はこういう話好きですか?』
『大好きれす!!』
『クフフ…では話ましょう…そうですねあれはたしか…』

僕が三才の頃…ある人物と出会いました。
その人はとても美しくどこと無く悲しそうな人でした。
そしていつも両目をつむっていました。
何故と聞いても答えてくれなかった。
そしてその人と出会い、五ヶ月が過ぎた頃僕は絶体絶命の危機に陥りました。
そのときあの人は初めて両目を開けてくれました。
するとその人の両目は僕の右目のように六の文字がありました。
そしてあの人は私を助けてくれました。
するとあの人はその目について教えてくれました。
その時僕は究極の強さを求めていたのでくれないかとあの人に問いました。
するとあの人は
『この目は神を裏切った私への呪いですよ。
そんな強さでいいんですか?
それにこの呪いは決して甘い者ではありません。
私の口では言えませんが一生苦労しますよ。
それでもいいんですか?』
僕は勿論『はい』と答えました。
するとあの人は
『…わかりましたそこまで覚悟してるんですね。
それではこの目を差し上げます。
ですが絶対、人間道だけは使わないで下さい』
といい私に目をくれました。

『目の交換はむごすぎて言えませんね…クフフ…どうでしたか犬。
僕の昔話は』
『…zzZ』
『ぉゃぉゃ…犬には難しすぎましたかね…』

あの人はもう亡くなってしまいましたがどうやら楽しく過ごしたみたいでした。
呪い…なんて嘘かもしれませんね。
どうかあの人がやすらかに眠らんことを…


終わり


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