桜色の恋
□bP
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桜が満開の4月
ある学校の中での話題…東中学校
『え?転校生?』
『うん!今日、うちのクラスに来るらしいよ?女の子!』
『うそ!なんで入学式の時に来なかったの?』
『さぁ?教師があまいんじゃない?』
この五月蝿い教室の中…一人の少女は心を弾ませていた。理由はその転校生と友達になる事
少女は座っていた椅子から立ち上がり、早いとも言えない走りで教室を出て、階段を上った。
行く先はもちろん決まっている…
いつもの場所
屋上
『はぁ…はぁ…お…おはよう…ご…ございます!』
少女は屋上の扉を開けると、荒い息と一緒に屋上に居た少年二人に挨拶した。
その少年二人はいきなり少女が来た事に驚いて目を見開いた。
『み…美由?大丈夫?息荒いよ?』
『何かあったのかよ?』
まず先に髪が栗色の少年が口を開き、慌てた。いつもの事だが…この少年…カイトはちょっぴり心配性な部分がある。
そして次に口を開いたのは、少し髪が薄い赤で黒も少々混じっている少年…望は今朝買ったと思われるパンを口に頬張りながら目を見開いていた。
最後に息を荒くして慌ててきた、桃色の髪の少女…美由は転校生の事を教えたかったのか真っ先にココに来たのだ
二人が居るとわかっていたから
望『は?転校生?』
美由『はい!お…女の子らしいです』
カイト『へぇ〜…どんな子かな?』
美由『私は話が合う人がいいです!』
望『誰でもよくね?俺たちと関わる事ねぇ〜んだろ?』
美由『え…?で…でも…』
望は転校生なんか興味なしにその場に寝転んで空を眺めていた。
何故、美由がそれほどまでにして転校生と友達になりたいのか…
カイト『美由…』
美由『へ?』
カイト『その転校生と友達になれたらいいね?そしたら一緒に遊べるし』
美由『はい!』
美由には…
女友達が居なかった。
だから友達になりたかった。
キーンコーンカーンコーン
チャイム席の音が鳴った。
カイト『あ!チャイムだ…。そろそろ戻ろっか?』
美由『はい』
望『俺は今日サボるから…飯の時間になったら来て起こせよ?』
カイト『はいはい…じゃぁ〜』
そして二つの影は屋上から姿を消した。
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