好き好き、大好き
□ダブルデート?
1ページ/5ページ
――あの日、私は結局二人のお話が終わるまで白石君と外で話をしていた。
私、凄くいい人。
「ほんで?どっちやねん」
「‥‥‥」
飲み物をズーッと音をたてながら飲み、ため息をつく。
「‥‥何の事かわかんない」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
ニコニコと無言な白石君に堪えられず、また飲み物を飲んだ。
何で大事な大事な休日を白石君と、よりによって白石君なんかと過ごさなきゃいけないんだろう。
「‥そもそも、お兄ちゃんが美土里さんとデートしなきゃ‥」
「まぁ、一緒にはおらんなぁ」
――事は30分前
久々に一人で買い物に来たら、美土里さんとお兄ちゃんを見つけた。
てか君ら受験生でしょ?!何で呑気にデートしてんの?!いや、確かにお兄ちゃんは頭よいけど!
『‥‥‥』
よし、ちょっと尾行しよう。ちょっとだけ。ちょびっとだもん。いいよね、うん。
そんな訳で私はグラサンを買い、二人を尾行し始めて――‥
『‥御堂?』
『‥白石君?』
出会った訳だ。この白石君と。
「二人でグラサン掛けてグラサンズかいっちゅーの」
「白石君はカッコイイから芸能人みたいで目立つんだけどね」
――実際、
今こうやってファミレスにいる訳だけど‥同い年ぐらいの女の子の熱い視線が突き刺さる。本人は自覚ナシだけど。
「照れるやんけ、そんなんお世辞でも」
「‥そりゃどーも」
「‥ん、二人行くみたいやな。出よ」
「あ、うん」
白石君に急かされ、私達は二人の少し後にレジに並んだ。
「あ、ええよ。俺出すから」
「いや、それは悪いよ。私のは出させて」
「あんなぁ、」
少し呆れた様に、白石君は私に向き直った。
「男が出す言うとんの。従ってくれへんかなぁ。入ろ言うたのも俺やし。な?」
「あ‥はい」
何でだろう。従って、の部分が力強かった気がするんだけど‥。気のせいだよね、うん。気のせい。
「有難う、白石君」
「ええよ。ほな追おう」
「うん」
少し空いた距離を急ぎ足で白石君と歩いた。