好き好き、大好き

□ダブルデート?
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――あの日、私は結局二人のお話が終わるまで白石君と外で話をしていた。

私、凄くいい人。



「ほんで?どっちやねん」


「‥‥‥」



飲み物をズーッと音をたてながら飲み、ため息をつく。



「‥‥何の事かわかんない」


「‥‥‥」


「‥‥‥」



ニコニコと無言な白石君に堪えられず、また飲み物を飲んだ。

何で大事な大事な休日を白石君と、よりによって白石君なんかと過ごさなきゃいけないんだろう。



「‥そもそも、お兄ちゃんが美土里さんとデートしなきゃ‥」


「まぁ、一緒にはおらんなぁ」



――事は30分前



久々に一人で買い物に来たら、美土里さんとお兄ちゃんを見つけた。

てか君ら受験生でしょ?!何で呑気にデートしてんの?!いや、確かにお兄ちゃんは頭よいけど!



『‥‥‥』



よし、ちょっと尾行しよう。ちょっとだけ。ちょびっとだもん。いいよね、うん。


そんな訳で私はグラサンを買い、二人を尾行し始めて――‥



『‥御堂?』


『‥白石君?』



出会った訳だ。この白石君と。



「二人でグラサン掛けてグラサンズかいっちゅーの」


「白石君はカッコイイから芸能人みたいで目立つんだけどね」



――実際、


今こうやってファミレスにいる訳だけど‥同い年ぐらいの女の子の熱い視線が突き刺さる。本人は自覚ナシだけど。



「照れるやんけ、そんなんお世辞でも」


「‥そりゃどーも」


「‥ん、二人行くみたいやな。出よ」


「あ、うん」



白石君に急かされ、私達は二人の少し後にレジに並んだ。



「あ、ええよ。俺出すから」


「いや、それは悪いよ。私のは出させて」


「あんなぁ、」



少し呆れた様に、白石君は私に向き直った。



「男が出す言うとんの。従ってくれへんかなぁ。入ろ言うたのも俺やし。な?」


「あ‥はい」



何でだろう。従って、の部分が力強かった気がするんだけど‥。気のせいだよね、うん。気のせい。



「有難う、白石君」


「ええよ。ほな追おう」


「うん」



少し空いた距離を急ぎ足で白石君と歩いた。



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