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□小ネタ
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◎いらいらナリ様
「‥‥‥‥」
いけるぞ、今回はいける!そう確信して携帯の5ボタンを連打する。何度やっても片倉しか出ず、苛々としていたら遂に最後にあの忌まわしい伊達が出たのだ。煩わしい南蛮語と共に。
「あっ」
残り8秒――その数字が見えた直後、体力切れを知らせる画面へと移り変わった。体力アイテムを購入し、使ったところでもう間に合うまい。いや、体力切れしなかったところで伊達の残り体力的にも負けてはいたのだが‥‥、
「何故なのだ!!」
バキッ
「ああああ!!!!小生の携帯がぁあああ!!!!何故じゃぁぁぁああ!!!!逆パカぁぁあ!!」
「ええい、黙れ!今我はこの上なく機嫌が悪いのだ‥‥!」
伊達のくせに生意気な‥!しかもわけのわからぬ南蛮語を操る所がまた腹が立つ。あれで己をかっこいいとか思っているのだろう。どうにもやり切れぬ。
「毛利ぃ!」
「今度は貴様か‥‥!」
「いや、俺が教えたゲーム有るだろ?あれで今イベントやってんだけどよ」
「知っておるわ」
「政宗ボコろうと思ったら時間切れで。なんかやるせねぇし腹立つから毛利の進み具合聞きに来たって訳よ」
「我も貴様と同じぞ」
「あん?時間切れか?」
「そうだ。そしてこのやるせない思いをどう果たそうかと考えていた」
あそこでいつまで経ってもめそめそと女々しく泣いている阿呆は放っておき‥‥今我の目の前でへらへらしているこやつをどうにか使えぬだろうか。
「‥長曽我部、頼みがある。出来によっては何でもしよう」
「おう、何だ?言ってみな」
「伊達の首を我に献上しろ」
「おー、お安い御用‥‥って馬鹿か!無理無理!!無理!せめてアンタもついて来いよ!」
「我はやらねばならぬ事が沢山有る。連れて行くならあやつを連れて行くが良い」
「いや‥‥遠慮しとくわ。なんか、もっと悪い状況になりそうだしな」
ならば一人で行け、と長曽我部の臑を蹴った瞬間、何処からともなく真田が現れた。相変わらず熱い。そしてめんどくさい。腹いせに後ろにいる猿飛を睨むもすぐに目を逸らされた。
「毛利殿、長曽我部殿!独眼竜、伊達政宗の征伐加担いたしますぞ!」
「本当かよ!やったじゃねぇか、毛利!」
「行ってらっしゃいませー」
「てめええええ!!!!」
「実は、某も‥‥」
しょんぼり、とした雰囲気の真田に長曽我部から視線を移した。何か伊達にされたのだろうか。いや‥‥どちらかと言うとこやつの方が他人に迷惑をかけることに関しては長けている。天然だから尚更質が悪い。
「長曽我部殿に薦められましたげえむで政宗殿に挑戦するも時間も足りず、体力も足りず、連戦連敗に暮れる日々。どんなに強い武器を使おうと、どんなにれべるを上げようと、勝てぬのです!ならばいっそ生身の政宗殿をぶち殺‥‥討たんとす!!」
「おいアンタ‥‥今物騒なこと言いかけてなかったか?」
「討たんとす!!」
「いや、そっちじゃなくて」
「旦那にいちゃもんつけんじゃねぇよ田舎もんが!!なんて思ってても言えないから、ここは一つ優しくなだめとくか。気にしないでよ、長曽我部の旦那」
「アンタも心の声駄々漏れだ!!天然か?!お前ら天然なのか?!」
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続かない。笑
黒田の携帯すぐに逆パカしそうだよね。不幸だわーー