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□小ネタ
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◎からかいがいのある人
「ぃいいいえやぁぁあすぅううう」
ああ、また今日も始まった。
こればっかりはご勘弁願いたいもんでござるよ三成殿。某の鼓膜がそれはもう破れそうでござる。
「うわああああああ何をする三成いい」
「貴様っ!許さん!」
今回は一体徳川殿は何をしでかされたのだ。この前は歩いている三成殿の足を引っかけ、その前は走っている三成殿に突っ込んだりと‥‥どれも三成殿の逆鱗に触れる事でござったなあ。
「ち、ちょっ、そんなに怒らなくてもいいだろう‥‥出来心だよ出来心」
「出来心だと‥‥?!貴様は出来心で私の大切な櫛を折るのかァァァ!!!!!」
櫛‥‥?櫛とは、あの、おなごが髪をとかす為に使う道具か。何故三成殿がそのようなものを大切に‥‥!まさか、三成殿にも愛しているお方が‥‥、
「はっ‥‥‥破廉恥でござるううう!!!!!!」
「なっ‥‥何だ貴様。突然破廉恥など言い出して。何が破廉恥なのだ」
「みみみ、三成殿ォ!某は知りませんでしたぞ!三成殿に愛しておられる方がいたなど!」
ポカーン、と口を半開きにして俺を呆れたように見ている三成殿と、その三成殿を面白そうに見ている徳川殿と大谷殿。
まあそんな三人の反応は無視し、俺はズビシィ!と三成殿を指差した。
「愛する者がおられるのは良いと思いますが‥‥おなごの私物を肌身離さず大切に持ち歩くなど破廉恥の三乗!いや、五乗でござ‥‥あああああ!!指がァァァ!!!!何をする、三成殿!」
「貴様、何を勘違いしている。これは私物だ。私が自分で使うのだ」
「そ、な‥‥!おなごの物を、私物化し使用していると?!貴殿はそう申し上げるのか?!はははは破廉恥いいいい!!!!!」
「だから‥‥‥ってもういい!貴様と話すと体力を使う!私に構うなァ!」
「ところで佐吉、」
「佐吉ではないと言っているゥ!!!!」
「あー、じゃあ三成、」
「何だ家康ゥゥゥゥゥ‥‥」
「金吾がお前と真田の餅を食ってるぞ」
「なっ?!」
「ほっ?!」
「はっ!!」
徳川殿の言葉に、あらぬ方向に曲がってしまった指を無理矢理元に戻し、部屋の中にいるきゃつを見れば――佐助が先程作ってくれた饅頭を食べていた。
「金吾‥‥!貴様、何をしている‥?」
「ぼ、ぼ、僕が悪いんじゃないよ!!これは家康さんが食べてい」
「何を言ってるんだ金吾?全くわからんぞ☆」
「家康さんんん?!」
「貴殿は、人が見ておらぬ間なら人の食べ物を食べてもいいと思われているのか?!許さぬうう!!この真田幸村!三成殿と共に貴殿を討つ!」
「悪いが共同戦線する気は無い。私は勝手に金吾を殺す」
「ちょちょ!み、み、三成くん?!殺しちゃうの?!やめてよぉ!天海様ァァァ!!!助けてぇえ!」
「おやおや金吾さんにたかる虫が二匹‥」
「誰がたかっている、誰が!!」
「某達がたかっているのは饅頭でござる!」
「貴様と一緒にするなァァァ!!!!」
「本当に面白いな、ここは」
「愉快よな」
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なんか見つけた。笑