short

□ROCK YOU
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ヘッドホンから音漏れしている事にも気付かず、彼女の名前は気持ち良さそうに音楽鑑賞をしている。

音楽に嫉妬するわけちゃうけど、何となくムカつく。何で俺の部屋に来てまで名前は音楽鑑賞、俺は雑誌読まなアカンねん。



「‥‥‥」



何だかやけにイラついて、無防備な名前の唇にキスをした。
驚いた様な顔、可愛えなあ。



「ちょ‥いきなり何」


「いきなり何ちゃうやろ。人の部屋来た思うたら気持ち良さそうに音楽鑑賞しよって」


「だって光が聞いてみろって言ったんじゃん!」



そう言えばそんな事を言うた気もする。でも今になって認めるのはシャクなので知らん、の一点張り。



「もー‥‥私音楽聞くからね」


「えー、別にええやろ音楽なんか」


「ちょちょっ、まだ聞き途中だって」


「俺は雑誌に飽きた」



自分でも我が儘言いまくっとると思う。
せやけど、しゃーないやん。俺は末っ子やからほっとくのは好きでもほっとかれんのは嫌やねん。



「‥私は一体何したらいいのよ」


「俺が暇にならん程度に絡んでくれれば」


「ならブログでも更新しなさいよー」



呆れた様にため息をつく名前。
可愛いけど可愛くない性格。



「名前、もっと可愛い事言えへんわけ?」


「可愛い事ってどんなよ」


「どんなか」



俺は可愛いわけやないから、女子のがそういうのは得意っちゅーわけ。



「光」


「何?」


「んー‥‥やっぱいい!」


「は」



やっぱお前可愛くないな、
と言おうと開いた口を閉じた。
肩に頭を乗せて来た名前からシャンプーか何かいい匂いがする。



「‥‥‥」


「何か眠い」


「‥‥‥」


「光?」


「やっぱ、」


「え?」


「可愛ないな、自分」


「は」




ROCK YOU

(それは激しく変化する)
(まるで君の気持ちのよう)




fin.


→あとがき



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