シリーズNovel
□ひとり、ふたり。
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ふらふらと覚束ない足取りで目の前を歩く女性の陰をじっと見ていた。
――酔っ払ってるのか…?
真夜中にも近い時間。
しっかりクリーニングしているであろうスーツに身を包み、高すぎるヒールの靴を履いた見た目スレンダーな女性。
いつかこけてしまいそうで何故か自分がハラハラしながら、ぼんやり考える。
疲れ過ぎているか、酔っ払っているかのどちらかだろうな、と。
どちらの予想も外れていると、この後すぐに気付くことになるとは思っていなかったけれど――。