シリーズNovel
□終わり、始まり。
1ページ/8ページ
朝日に目が眩む。ぬけるような青空が広がっていて、思わず手を翳した。
気分上々とは言い難いけれど、悪くは無い一日の始まり。
――久しぶりにカーテンを開けた気がする。あ〜いや、気がするとかじゃなくて、本当に久しぶり。
いつもの休日は殆どと言っていいほど昼まで眠っている私だから。
こんなに早く起きて、あまつカーテンを開けて朝日を浴びているなんて、正直自分が一番信じられない。
目を擦り、ふと気付く。
眠たいからではなくて、物理的に重い瞼。
――忘れてた…昨日散々泣いたんだっけ…。
腫れぼったい瞼が重く瞳にのしかかっていて、気持ちまで重くなりそうだ。
「蒸しタオルでも作るか!」
せっかく悪くない気分で目覚めたのに、これじゃ台無し!なんて。
どうにかしなきゃと思い、タオルを手に取ったその時だった。
部屋のチャイムと共に、ドンドン!という音が私の部屋に重く響く。
チャイムを鳴らす意味はあるのか、と思ってしまうほど激しい音が――。