シリーズNovel

昼下がりの幸福。
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『彼女ができたなんて聞いてないぞ!!』



携帯の向こう側から聞こえる怒声(?)に俺が眉を顰めたのには訳がある。

そう、今日は久しぶりの非番の日。そしてただ今午前11時。
聞こえた内容は重要ではないのだ。この時間、この日、このタイミング、…ありえない。

着信音を無視してしまえばよかった話なのだが、寝惚けていた俺はつい通話ボタンを押してしまった。


それが運の尽き。



「いきなり電話かけてきて一体何の話だよ…というか非番なんだよ眠いから切る」

『待て待て待て!説明しろ!』

「無理。寝る。じゃーな」

『―――!!…』



何やら文句らしき声が聞こえた気がしたが、ブラックアウト寸前だった俺の意識は、じゃーな、と会話を終了した時点でその役目を終えた。
俺を心地いい夢の世界へといざなってくれた訳である。


この時の自分に説教ができるのであれば、膝をつき合わせてこんこんと説教していただろう。
この短い会話が原因で、俺は貴重な休日を潰すこととなったのだから。



そう、これが、俺の長い一日の始まりだった。






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