シリーズNovel
□終わり、始まり。
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「だらしない所も含めて梨乃なのに!それをあの男…ッ!」
――…お〜い、和泉サン?
もうちょっとオブラートに包んでモノを言えないのだろうか。
“だらしない”とか、本人目の前に言えることではないと思う。
まぁ、否定できないから反論もできない。
それに、こんなことをサラッと言ってのけるのが“和泉らしさ”なのだと私は知っている。
だからこそ親友でいられる。気を遣うことなく。
――でも…今回はちょっと堪えたのも確かかな…。
こんな私をできれば受け入れて欲しかった。
恋人の前ではキレイでいようとして、疲れて別れる。
それが続いていたからこそ本当の私を曝したのに。
だけどちょっとだけ?間違えたかなとは思う。
突然こんな“だらしなさ”を曝したら誰だって驚くだろうと、今はそう素直に思える。
本気で好きでいてくれているなら大丈夫だと、高を括った。
それが間違いだった。
「もういいよ。今さら言っても仕方ないし」
「…梨乃、なんか今回はあっさりだね。そんな泣き腫らした目で言われても説得力ないんだけど?梨乃が頑張ってたの私知ってるし。
一体どうしたっていうの?」
“泣き腫らした目”
和泉に言われハッとする。
――忘れてた!
この目をなんとかしなきゃ!と思って蒸しタオルを作ろうとしたところに和泉が来たから、そのままだったのだ。腫れぼったい瞼が。
言い訳のしようがない。
確かにフられた直後はこれでもかというほど泣いたから。
でも――。