シリーズNovel

終わり、始まり。
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――こんな朝早く…誰よ。


世間的には決して早い時間ではないけれど、私にしてみればかなり早い時間だった。

少しでも私を知っている人なら、こんな時間に私が起きていることなんて無いと承知しているはず。

なのに。



「はぁ〜い!どなたですか?」
「私!私!」


オレオレ詐欺ならぬワタシワタシ詐欺か!とツっ込みたくなる。

声で誰かは分かったけれど、名前くらい名乗って欲しいものだ、なんて思う私は間違ってる?




振り返ると、これでもかというほど散らかった部屋。
誰かを招き入れるなんて普通は憚られるだろうこの部屋に、入れてもいいと思える数少ない私の親友。

それは、こんな私の実情を知っている彼女だからできること。

その親友が今、部屋の扉を強打していた。


――あぁでも、理解してくれているにしては“こんな時間に”と思わないでもないけど…。




少しだけ腑に落ちない気持ちを抱き鉄製の重い扉を開くと。

怒っているような悲しんでいるような、何とも言えない顔をした親友が飛び込んできて、


私に抱きついた――。






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