シリーズNovel

終わり、始まり。
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「だらしない所も含めて梨乃なのに!それをあの男…ッ!」


――…お〜い、和泉サン?


もうちょっとオブラートに包んでモノを言えないのだろうか。

“だらしない”とか、本人目の前に言えることではないと思う。

まぁ、否定できないから反論もできない。

それに、こんなことをサラッと言ってのけるのが“和泉らしさ”なのだと私は知っている。

だからこそ親友でいられる。気を遣うことなく。




――でも…今回はちょっと堪えたのも確かかな…。


こんな私をできれば受け入れて欲しかった。

恋人の前ではキレイでいようとして、疲れて別れる。
それが続いていたからこそ本当の私を曝したのに。

だけどちょっとだけ?間違えたかなとは思う。

突然こんな“だらしなさ”を曝したら誰だって驚くだろうと、今はそう素直に思える。

本気で好きでいてくれているなら大丈夫だと、高を括った。

それが間違いだった。


「もういいよ。今さら言っても仕方ないし」
「…梨乃、なんか今回はあっさりだね。そんな泣き腫らした目で言われても説得力ないんだけど?梨乃が頑張ってたの私知ってるし。

一体どうしたっていうの?」


“泣き腫らした目”

和泉に言われハッとする。


――忘れてた!


この目をなんとかしなきゃ!と思って蒸しタオルを作ろうとしたところに和泉が来たから、そのままだったのだ。腫れぼったい瞼が。

言い訳のしようがない。

確かにフられた直後はこれでもかというほど泣いたから。


でも――。






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