シリーズNovel
□何度も何度でも、貴方と。
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以前はもっと踏み込もうとする元気(?)があった。
何度も合コンに誘った。飲み会に連れ出した。
――本当は迷惑だったのかもしれない…。
苦笑いで付き合ってくれていた晟那を気遣う事、私はできていなかった。
自分勝手なエゴを押し通していたのだ。
今思うと自己嫌悪に陥りそうな程、私は勝手で傲慢だった。楽しんでくれているはず、なんて決め込んで――。
あぁでもあの合コンに誘った事だけは正解だった?
私が強引に連れ出した合コンで、意外にも晟那に想い人ができたのだ。
昔の同級生とやらで、傍目から見たらかなりな美形の男性が、偶然…そう、後から聞いた話によると彼も無理矢理参加させられたらしい合コンで晟那と再会を果たした。
多分…運命の再会。彼も晟那も、ずっと忘れられなかった人と再び出会った。
そこから先は――うん。言うまでもなく熱愛されているご様子で。
まぁ晟那の話はここまでにしておいて、…その頃からだろうか?
多分私は羨んだんだと思う。等身大の自分で彼と付き合うことができている晟那を。
私も…肩肘張らずにありのままの自分を好きになってくれる人を求めるようになった。
結果はまぁ――知っての通り何度か見事なまでに玉砕したわけだけれど。
当たり前と言ったら当たり前なのかもしれない。こんなにも自分勝手で傲慢で――プラスこれだけ“だらしない”私を好きになってくれる人なんているわけがなかった。
直そうとは思ったけれど、何年も培った性格を急に直せるはずもなく、諦めかけていた時。
彼に、出会った。
ありのまま、肩肘張っていない私を好きだと言ってくれる、彼に――。