Short Story
□エイプリルフール
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今日は4月1日。
私はこのエイプリルフールを告白する日に選んだ…。
だってフラれたとき、
嘘だよって言えるでしょ?
この告白を無かったことにできるでしょ?
『あのさ、』
「なんだよ?お前らしくないな」
『あのね、あたし…』
「早く言えよ!」
『あたし…あんたが好き…なんだ。ずっと、一緒にいて…楽しくて、いつの間にか好きになってたんだ…』
「……ごめん。」
ああ…やっぱり、
だって君には彼女がいる。
知っていて告白したんだ。
さ…言わないと。
嘘だよって…
4月バカだって…
「彼女を大事にしたいんだ。お前は俺からしたら仲のいい友達にしか見えない。」
『──ッッ』
言えるわけないじゃない…
いつもふざけあってるアイツが、こんなにあたしの気持ちに返事をしてくれてる。
嘘だなんて…言えない。
『ちゃんと答えてくれてありがとう!…彼女と幸せにね、』
「おう!」
『じゃあ…ね。』
走った…
走り続けた。
無かったことにしたかった。
けど…できなかった…
『すんごく…好きだったよ…』
エイプリルフールの
私の告白…
お願いします
桜と共に散っていって…。