羞
□永遠の誓い
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初めて会った時から
いつかはこんな日が来ると思ってた
でも、実際に鏡に映る自分のタキシード姿はなんだか違和感を感じる
ていうか
まるで夢の中にいるみたいで、実感が湧かない
「シオリさんの準備、出来たみたいよ」
「あ、うん。今行くわ」
これまたいつもと違う着物姿の母がボーッと鏡の前に立っていた俺をシオリの元へ促す
ダメだ、何見ても練習に感じる
シオリの部屋の前に来ると式場の女性が出てきて
「奥様、とてもキレイですよ。準備も終わりましたので、ぜひ部屋の中へ」
「ありがとうございます」
俺が扉に手をかけると軽く会釈して去っていった
「 シオリ?」
扉の閉まる音を聞いてから、目の前に座る後ろ姿に声をかける
「剛士。どう、かな…」
ゆっくりと振り返る白いドレスに身を包んだ彼女は、驚くほどに美しくて
「きれい、すっげー綺麗」
言葉を探そうとしても頭が回らなくて、ありきたりなセリフしか出てこない
ほんと、今日の俺なんか変だ
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