ギアス

□すべてのはじまり
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こんな非科学的な事があってたまるか!!


01:すべてのはじまり


今からさかのぼること数時間前、俺は自室にいた。
ベッドを占領しながらそこでピザを食する女にあきれながら。


「おい、C.C.。ベッドで物を食べるな、シーツに汚れがつく」
「お前は本当にうるさいな。この小姑が」
「お前にそんな事言われたくもない。
それにこれは常識的考えだ、誰でもそう思うさ」



ごろりと寝転びながら伸びたチーズを舌で絡める姿をみて、
俺は本当に腹が立った。
だから言ってしまったのだ。



「そんな事を繰り返すから太るんだ」



その瞬間、今までご機嫌でピザを食べていたC.C.がぴたりととまった。
くるりとこちらを向いたC.C.から、何か黒いものが立ち込めるのを感じてルルーシュは先ほどの自分を後悔した。



「……お前を踏み潰したい気分だよ、ルルーシュ」



そう言ったC.C.の笑顔は怖いくらいまぶしかった。
だけど明らかに怒っているのは確かだった。
それも、半端なく。



C.C.の指が俺の眉間へと伸ばされる。
驚くことにいつの間にかあの女は俺の前に立っていた。
気づかなかったのは俺が鈍いからではなく、こいつが異常なんだと言い張りたい。



「何を……っ」
「言っただろう…?踏み潰したい気分だと」



キンと何か高く細かい音が頭の中で響いた。
その瞬間、真っ白になる視界。
心底楽しそうな魔女の笑い声を耳に、俺の意識は途切れた。






目が覚めると世界がかわっていた。
いや、正確に言おう。



俺がかわっていた。




真っ暗な場所で目を覚ました俺は、すぐさま小さく見えた光のほうへと這い出た。
不恰好なものだったが、何かが上からかぶさっていて立つことができないのだ。
やっとのことで暗闇から出ると、俺は愕然とした。
目の前に広がる世界に愕然とした。



俺の部屋だった。
だけど何かが違う。


大きさだ。



そして自分がなぜか素っ裸なのに気づく。
おそるおそる後ろを振り返ると、さっきまで俺がいた場所。
それは俺が着ていた服だったのだ。
だけどもおそろしくでかい。
巨人の服というのはこういうものなのだろう。



ああ俺はなんという世界に来てしまったのだろう。
巨人の世界なんて。



だけどそれは違うのだとすぐにわかった。




「随分といい格好だな、ルルーシュ」



目の前に現れた巨人…C.C.が俺へと目線をあわせてわらった。
そのあまりにおおきな眸に俺は思わず腰を抜かした。




「これなら踏み潰せそうだ」




愉快そうに笑ったC.C.をみて、俺は自分が小さくなってしまったことに気づいた。
こんな時でも冷静に対処法を考えている自分がすこし健気で悲しい。
魔女がしでかす事になど、人間が対処できるはずないのに。



幼い頃読んだ、ジャックと豆の木。
巨人に出会ったジャックの気持ちはこんなものだったのか。
それとも親指姫?
かえるの妃は嫌だ、って俺は男だが。
もしくは日本の昔話の一寸法師。
鬼と戦えと、いや相手は魔女なのだ。

ぐるぐると思考がまわる。
わけがわからなすぎて頭がパンクしそうだ。
とにかく、俺は小さくなってしまった。
にくたらしい、魔女によって。



To be Continued.




 

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